無意識に出てくる悪魔の存在-ケアスタッフとして働く人の悩み-

1.はじめに

最近、同じような悩みをお聞きすることがあり
私自身も同じような経験があるため
頭を整理し、皆さんと共有したいと思います。
ケアスタッフさんがよく出会う自分のなかにいる悪魔との戦いに関する話です。

2.最近のニュースで取り上げられること

最近のニュースでは施設入居者にたいして暴言をはく、暴力をふるうなどの怖い話が取り上げられることが多いと思います。
一見、「ありえない」と思うことも多いですが、
表面上にでないだけで、実はそのようなことを行う
危険というのは誰にでも存在するのではないかと日頃感じています。

3.ケアスタッフさんから聞く悩み


「ある方に対して普通に関わっているつもりが、他の方から言われて口調がきつくなっていたことに気づいた」

「なぜ、あんなことをあの人に言ってしまったかわからない」

「あの人とてもいいスタッフさんなのに、あの人にだけ何であんな言い方するの?」

「スタッフ全体が特定の人に口調が強くなってしまい、注意することが多いけどなぜなんでしょう?」

4.問題の状況の整理

整理してみると問題となることは共通して
"怒り、焦り"という感情ということがわかります

また、その対象は全員ではなく
ある特定の人に向けられることがわかります

そして、関わった時間が短い人は対象になりにくく
関わった時間が長い人ほど対象になりやすいです

ケアに難渋している人ほど対象になりやすいです

5.問題がおきる原因

焦りは
身体的、精神的余裕がないとき
におこり、怒りやすい状態になります

私たちが普段怒るのは、
①期待していたことが得られなかったとき
②自分の価値観とずれている(理解できない)ことが起きたとき
③自分や親しい人、大切なものが傷つけられたとき
とどれか1つ、もしくは複数が重なることでおきます。

→多様な病気が混在し、しょうがいを抱える方との関わりは知識、技術がないと①②③が起きやすいのではないかと思います。
また、原因が重なりやすいことでより、反応が大きくなってしまうのではないかと考えます。

そして、肉体労働の仕事であるため身体的に余裕がなくなり、更には業務により時間におわれ、精神的余裕がなくなり焦りがうまれます。

私たちの仕事はひとりひとりの目標に向かって
計画をたてることが多く、それは具体的に
期日を設けているため、進捗がわかります
ケアに難渋している人ほど、目標と現状が
解離していることが多い、もしくは
しなければいけない義務が増えるため
精神的に余裕がなくなりやすいです。

6.問題の解決策

まず、このような状況にならないためには
怒りの感情を誘発する、焦りを取り除く必要があります。

管理職の方は
組織内の業務効率をあげるのはもちろん
スタッフさんのモチベーション管理を気にしてほしいです。達成感、満足感を得られないとストレスをうみ、徐々に精神的余裕をけずります。

モチベーション管理はマネジメントするうえでは必須であるため、もしこのような問題提起がされた際に他の業務の効率が落ちていることや社内の人間関係が悪くなっていることも気にしないと悪循環のサイクルに陥るため注意が必要です

また、目標はより根拠をもち役割や方法、意味を具体的に設定し、全員が理解でき実行できるようにすることをお勧めします。
ケアはある程度幅があるとよいですが、難渋するケースに関しては少しのズレがスタッフ間のトラブルを誘発するため、細かく気にする必要があります。

そして、全体で共有し振り替える頻度を増やすことも忘れず行うことで怒りの原因を軽減できると考えます。

7.おわり

解決策をどれだけ頑張っても、どうしても問題はでてきます。それは私たちが人間で、その怒りの感情をもつことは当たり前だからです。

その感情を認め、それがなぜおきているのか?を考え解決しようということが大切です。

私たちの中には必ず悪魔が存在します。
それは環境が生み出します。

何か問題がおきたとき、組織などの環境に焦点をあててください

私はケアスタッフさんがとても好きで尊敬しています。

だから、悪魔が生まれないような環境づくりを
目指した組織づくりを進める人が増えるよう
関わっています。

また、その点も機会があれば投稿させて頂きます。

最後までお読み頂きありがとうございます。

※私見を多く含んでおります。このような考え方もあると思っていただければと思います🙇

作業療法士 保健学修士 認知症ケアやグループホームでの業務などについて発信していきます!! 応援よろしくお願いいたします😊