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大切な時間 〈前編〉

私にとってnoteは宝箱です。

これまで、足を運んだ印象的だった公演や思い出深いイベントや舞台の感想、溢れる想いを大切に記す特別なツールとして使ってきましたが、日常に積み重なるいくつもの小さな煌めく瞬間や日々のできごとを少しずつ少しずつ綴っていくのもいいかな、と思いはじめていたところでした。

4月16日の日曜日、友人と過ごした優しくて穏やかな時間。その日 目にしたどの瞬間も忘れたくなくて、ついにひっそりと実行です。

これからは、より自然体で身近なことも、親近感のあるフランクなものもあげていきたいです。長いものも短いものも。文章だけだっていい。見ていただけても見ていただけなくても平気だし、投稿してもしなくても、また下書きに戻したっていいのです!(?
自分のために書き留めておきたい、残しておきたいものたちを、忙しく過ぎる光陰の中でこぼしていかないように、大切にしまっていく作業をしていきたいと思います。
noteをそんな存在や場所にしていこうと思います。

昨年より、SNSから受けるものがいいものばかりでなく、言葉とは別にあるものの存在を感じはじめ、悩んだり傷ついたり悲しむことが増え、少しずつ離れつつあります。
うまく言葉にできませんが、大切なものを見失なわず、より鮮明にクリアにしていくというような意味でも、心地よくいられる場所や選択に敏感でいたいなと思っています。応援している方がいる限りは、情報を得るためのものとして拘束されてしまう部分もあるのですが、それ以外は日々のことや目の前のこと、携わる方々やできごとにさらに重きを置いていこうと考えています。そして何かを選択するときは何かを手放していこうとも。
誰からのなんの監視や束縛もなく、ルールもなく、更新に伴う義務も追われる恐怖もないとても自由な場所がnoteだと気づきました。

記念すべき投稿は、私の大切な時間についてです。ささやかで、でも特別で。幸せに感じたことを綴りたいと思います。



* * *


当初、この日は写真展→砧公園へ歩いて向かうといったシンプルな予定でした。前日に丸1日降り続いた雨で、土がぬかるんでいるのでは?遊具が濡れているのでは?と懸念して公園へ行く予定を変更。友人とお互いに「今 行きたい展示」を持ち寄ってみると、なんとどちらも立川で開催中のものと分かり速やかに決定。

友人と会うのは、ゼロコの舞台公演『The Writer』の劇場で偶然に会い(お互いにその日に観に行くことを知らず)、夜の公園をお散歩して下北沢までお話しながら歩いて帰った日ぶりでした。
そう。この時も下北沢に向かっていたつもりが、知らないうちにいつの間にか別世界への扉を開けてしまったかのような、狐につままれたような体験がありました。方位の狂った感覚というか、方位の無い世界に足を踏み入れてしまったような。それってただ迷子になっただけなのでは?といった意見はナンセンス、本当に説明のつかない不思議なできごとで。ようやく辿り着いた下北沢、気づけばお腹もぺこぺこ、idio2がショーで使っている曲が流れる店内で食べたお野菜もりもりの薬膳カレーが滅法界に美味しかったことも良い思い出です。

また、昨年一緒に訪れたクレマチスの丘では妖精(※ここで言う妖精とは、長谷川愛実さんのことではなくティンカーベルの方)を二人で目撃。人に真剣に話しても怪訝な顔をされるか信じてもらえず鼻で笑われるかの一か八かな濃厚エピソードが私達にはありまして。笑
その他にもまだまだたくさんあるのですが、まずはこの、どちらも忘れられないほど楽しかった日の触りをここにしたためておきます。


改めまして、この日の予定は、

  • 経堂 くろねこドーナツ[写真展]

  • 立川 PLAY!MUSEUM [谷川俊太郎 絵本★百貨展]

  • 立川 SUPER PAPER MARKET [箱の最適化展]


待ち合わせは経堂駅。

もちろん!
“きょうどう?”ごっこ、しました。

駅からくろねこドーナツまではすずらんの街灯が並ぶ道を行きました。通りの入口手前で、お気に入りのすずらんのブローチをしてくればよかったなぁ…!と友人におもわず漏らした私。お花のネックレスを選んでしまったことを少し残念がりながらも、もしもドーナツが揺れるイヤリングを持っていたなら、きっとそちらをしてきていただろうなとも思いました。

知らない道や街並みはいつだって楽しい


着いてみると、鮮やかでとってもかわいい佇まいのお店でした。

くろねこドーナツさん

いざ店内へ。
元気に、ではなく「おじゃましま~す」に似た「こんにちは」を。
コーヒーの名前にもねこが入っていて、猫好きの友人は即決していた。正直なところ、私は普段コーヒーは強い刺激となってしまって自分の体質に合っていないことを知っているのでめったに飲まないのですが、こういう時は楽しんで選んだりオーダーをする「めったにない特別な日」となります。
オーダーを終えて、店内と、本日最大の目的のポートレート写真たちを眺める。

NEKO🐾
はだか電球とドライフラワーの雰囲気に、
一瞬忘れかけましたが。
ここはドーナツ屋さんです…!
ドーナツをこんなふうに嬉しそうに持って
みつめてくるんだもん、
絶対に話しかけちゃうじゃん?
開いているドアから吹き込む風に、
気持ちよさそうに
ゆらゆら ふわふわ ぷかぷか


作品はどれも素敵で、一枚一枚その季節や時間と対話をする。フィルターや撮る方の目と感性を通して感じる想いや優しさ。風も香りも気温も湿度も感じられる繊細な写真たちに、席を選ぶことも忘れて見入ってしまいました。

席について目に止まったのは『ポテト・スープが大好きな猫』という絵本。「読も!」と友人。表紙やその裏まで丁寧に見る友人が私は大好きです。
1ページ目、読みはじめて数行すすんだあたりで止まってしまった。ふたりとも何度も何度も冒頭から読み返してみてはやはり同じところで止まる。声に出して読んでみても。「どういうこと?どういうこと?」と、いよいよスマホを取り出してルイスビル湖の大きさを調べた。笑
そんなこんなしているとドーナツが運ばれてきたので、一旦中断!

ドーナツは揚げたてであたたかくてふわっふわ。まぶしてあるお砂糖でくわんくわんになりながら味わいました。普段はとっても気が合うし好きなものも同じだったりするけど、何故かこういうときには選ぶものが違って見事にバラバラ。開店時点での全種類(4種)のドーナツがテーブルの上に並ぶ。それもまたいい、それがまたいいのです。

ドーナツを食べているときに、うふふと笑ってはいけませんでした。お砂糖やらきな粉やらシナモンやら、かわいい色をしたパウダーたちが飛び散って、黒いテーブルとズボンがアーティスティックに仕上がります。お互いのそんな様子にさらに笑ってしまうのですが。ああ、こういう時間、こういう時間がたまらないく愛おしいのです。

もぐもぐしていると、外を一匹の犬と飼い主の男性が通りかかった。ドーナツのいい匂いに誘われて扉の前で足を止めた犬に、お店の中から手を振ってご挨拶した。犬が満足するまでと、飼い主さんもそこで立ち止まっていましたが、少しして、行くよとリードを引くも、犬はぎゅうっと抵抗してテコでも動かないご様子。店内からその一部始終をほほえましくみつめる私達。困ったなぁといった感じの飼い主さん。まったくもっていい日曜日です。

ドーナツを食べ終わったところで閉じていた絵本を再び開く。本当に素敵な内容でした。そしてあとがきがなんとも興味深くておもしろくて感嘆。
友人と一緒に、絵本の中に入りテキサス州のおじいさんと猫のいるお宅を訪れたような感覚でした。
絵や文を指さしながらそれぞれにつっこんだり答えたり疑問をもったり。大人になっても絵本は、絵本を囲う時間は素の私で居られて心を豊かにしてくれます。知らないこともいっぱい。

まったりしたのち、ご挨拶をしてくろねこドーナツさんをあとにする。

こういうのもすき
村上春樹さん訳
お店を出ると、
頭上には眩しいほどの青空と白い雲が広がる


駅まで戻る道は、来た道と違う道を選びました。住宅街の中に入ってしまいましたが、そこここに春の植物が敷地からはみ出し顔を出していて。いい香りの木の芽や白いモッコウバラ、次々に出会う植物にまつわる会話をしながらのんびり歩く。駅に近づくと、行きに見たすずらんの街灯が陽光を受けて可愛い形にそっとその影を道に落としていました。
歩道に描かれた歩行者用の「止まれ」のマークの、逆ハの字をした足型の角度がまあまあの開き具合で。「ずいぶんがに股だね」ってくすっとしたりもしました。街灯の影も足型も写真にこそ収めませんでしたが、歩いているときは日頃からこういうものをよく見ています。
いつか訪れた神乃珈琲にあった足型マークもとっても可愛かったな。

この日もコーヒーを選んだ特別な日
コーヒー豆♪
コーヒーを飲みながら眺めた
この景色もよかった。

ほんならついでに京都でうちがみつけた、見たことないマークもみてってや〜!(はんなり京都弁風に)

❗+🚲=?
答.  SLOW DOWN
気ぃつけてね

止まれのマークから広がって、歩きながら友人とこんな話もしたわけです。

って、あれれ!話が寄り道ばかりで日曜日のできごとのまだ半分もいっていませんね。
お散歩をしていてもいつもこんな感じでして。気長にゆるりとお付き合いいただければ幸いです。

京都へ行った時のお話もいつかここでできたらいいなぁ。


それから新宿経由で立川へ向かいました。



後編へつづく。
(急!笑)

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