私はサラリーマン歴14年。
かなり古風で堅めな会社で働いている。が、フリーランスにずっと憧れてきた。
思いがけずフリーランスマウントに出会い、会社員のすごさにも気づいた話。

フリーランスはすごいのか？

本屋さんに溢れるフリーランスで楽しく自由に仕事しているかたの本。
みんなが憧れるけれど、実現できている人が少ないから需要があって本になるのだろう。
確かに憧れるし、でも一歩踏み出せない。

私は会社員が全く向いていないのに、息苦しさを感じながら会社員14年目。
フリーランスの働き方は羨ましさしかない。一人でやっていくと決めた決断力も行動力も勇気も素晴らしい。憧れるし、羨ましいし、素直にすごいと思う。
もちろん、すごく参考にしたい憧れのひとや、人柄に惹かれるかた、尊敬してるかたも多い。ていうかほとんどのかたがそう。

しかし。
「なりたかったらなればいいじゃないですか。でも安定とか、お金のことを言ってるうちはフリーランスにはなれませんよ」
と言うような、会社員で燻っている人をどこか見下すような言い回しをされるかたには疑問を抱く。こちらが相談した訳じゃないのに！（ここ重要）
言っていることは正しいのは分かってるのだけど。

フリーランスはすごのか？
会社員がダサいのか？

このフリーランスマウントはひねくれ女の気にしすぎだろうか？
でも会社員がフリーランスのかたに向かって、
「なりたかったらなればいいじゃないですか。でも、自由とか通勤電車を気にしてるうちは会社員にはなれませんよ」
なんて言ってるのを聞いたことがない。

会社員はダサいのか？

安定を求めていいじゃないか。
自由を求めてフリーランスに憧れてもいいじゃないか。
使えない上司の顔を立て、くだらない会議に出席し、理解不能なお局の小言を聞く。
同じ会社で何十年も働き続ける。
頑張っても頑張らなくても大して変わらない収入に、文句は言うけど真摯に取り組む。
部下のミスは部下のもの、部下の手柄は上司のもの、そんな文化にも黙って耐える。
これ自分のせい？と思いながら取引先やお客様に頭を下げる。
家でできるのに、と思いながら毎日電車に乗って通勤する。
謎なしきたりに従う。
「意味ないよな、これ」と思う業務も決まりなら黙ってこなす。

これってめちゃくちゃすごいことじゃない？
この忍耐、めちゃくちゃすごくない？
この協調性、めちゃくちゃすごくない？
このコミュニケーション能力、めちゃめちゃすごくない？

会社員やれてる人って、ほんとすごい。（会社員ながら劣等生なので…）

世のサラリーマンよ胸を張れ

私は自由を求めながらいつまでも会社員であることを引け目に感じていたと思う。今まで踏ん切りがつかず行動できない自分を後ろめたく思っていた。
そして、フリーランスのかたをずっと羨ましい、すごい！と崇拝しすぎていたと思う。

でも今回フリーランスマウントに出くわして、このnoteを書いているうちに組織に属して働く会社員てすごいじゃんと気づいた。
サラリーマンと言うとどうも、むかーしむかしのダボダボのスーツを着て、髪の毛が油ぎってる黒縁メガネの日本人をイメージしてしまっていた（海外の映画に出てくる日本人）。
これからは、丸の内を歩いてるカッコイイモテスリム（ってもう言わない？）の男性と、東京カレンダーみたいな女性を思い浮かべることにする。

組織に属して、時には長いものに巻かれて生きることだって立派な才能。
燻りながらも同じ場所で真面目に働くことができる、それって立派な能力。
どこがダサいのだ。
世の中みんなフリーランスが向いているタイプの人間だったらどう考えても回っていかない。
長いものに巻かれ能力ゼロの私は、「定年までサラリーマンとして生きる」みたいな本があったら是非読みたい。（ないのはやはり、日本人なら本来誰でも持ち合わせている能力なんだろうな…なぜ私には備わらなかったのか）

闘え！サラリーマン（言いたいだけ）

（ケツメのこの曲、昔よくカラオケで上司が熱唱していた・・・）
とは言え、当初の予定通り私は夏でサラリーマンを辞める。
でもそー言う会社員をバカにするような人間にはなりたくない。私が、おや？と思った彼も、いつの間にか大切なことを忘れてしまったのかな…
でも、その人に出会っていなければ私も会社員をナチュラルに見下す系フリーランスになっていたかもしれない。
気付けてよかった。出会いに感謝。（モヤモヤするけど無理やり感謝）