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解毒について (カウンセリング編)

今日は閑話休題、毒親から注入された毒をどう解毒しているのか。
カウンセリングについて書きます。

ちなみに、私のカウンセリング前の状態は「鬱状態」のようなもので、無理やり実家に閉じ込められていたコロナ初期は本当に酷く、トイレとお風呂以外は部屋から出られない、人と話せない、人の目が怖い、寝ても覚めてもぐったりしていて起き上がれない、不眠症となんとも悲惨でした。

一時期ストレスが人生最大値を振り切った時には、包丁を振り回して布団を突き刺しまくり、「死んでやる」と言ってベランダから飛び降りようとする。パートナーは私をベランダから引き摺り出して羽交締め、包丁を奪って捕獲する。
今考えれば、本当に精神的に狂っていたのだと思います。

そんな私が今ではイキイキと暮らし、怒りの感情に身体を乗っ取られる事もない。比較的ポジティブで穏やかな真の自分を取り戻し、毒親の事も割り切って考えられるようになった。これだけでももはや奇跡としか言えません。1年半と言う年月は掛かりましたが、一時期担当医に推奨された投薬も無しにここまで到達出来たのは、紛れもなくパートナーと臨床心理士さんのお陰です。
私の1年半の経験が、少しでも誰かの知恵になれる事を願って書いていきます。

〜そもそもなぜカウンセリングに踏み切ったの?〜
実を言うと、私は精神科への通院を一度辞めています。正確に言うと、「現実逃避」です。精神的に問題のある自分の現実から目を背けたかった。病院に行く=自分が人と違う事を認める、という行為のような気がしたのです。しかし、先述の暴走(「完全自殺マニュアル」を購入しようとしたり、ロープと包丁を持ってトイレに立て篭もる)だけでなく、思考の偏屈さ、親から受けるべき「無償の愛」を受けなかったが為の恋愛依存など、無限にパートナーを困らせていました。当たり前にパートナーにも限界が来ます。そして遂に、治す気がないなら別れてほしい。と告げられてしまいました。当たり前です。ここで初めて、自分がいかに現実から目を背け続けていたのかを痛感しました。この日私は再び再診の予約を取り、カウンセリングへと向かう事になったのです。

〜帰りたい家がある〜
実家を出て1番に変わった事が「家が帰りたい場所になった」事です。親の罵詈雑言に耳を痛ませる事もなく、がなり立てられる物音に怯える必要もない。両親の仲を必死に取り持ち、機嫌を損ねないように神経を張り詰める必要もない。1人で安心して起きて眠りにつける環境は、不眠症すらも解消しました。キャラ作りを疑われる程に敏感だった音に対する過剰反応も無くなり、とても心穏やかに暮らしています。ちなみに実家に帰りたいと思った事は一度たりともありません。今後も決して来ないと思います。
帰りたい家がある。心安らげる場所がある。これだけで人は健康になれるのです。
しかし、自分の努力や物理的距離だけでは解毒しきれないのが毒親の手強いところです。そこで有効なのが、カウンセリングという特効薬なのです。

〜カウンセリングって具体的に何をするの?〜
カウンセリングとは、素人の言葉でざっくり説明すると「自分という人間をありのままで受け入れて貰える場所」です。ただお喋りしてるだけで何が変わるんだ。何で1時間ぽっちでこんなに高いんだ、と捻くれた時期が私にもありました。
しかし、最も解毒に有効でかつ効果がある手段だと考えています(個人差あり)

具体的な効果は、大きく分けると
①境界性パーソナリティ障害症状の緩和
②自身のトラウマからの解脱


が挙げられます。他にも色々とあるのですが、私のカウンセリング前の状態から比べるととんでもない進化です。ちなみにカウンセリングは自費診療項目となるので、1時間あたり7000〜10,000円くらいが相場となります。そう、とてつもなく高いのです。私は幸運にも実家から治療に関してはお金が出ているので無制限で受けられていますが、正直どんな薬よりも高価で、これがカウンセリングの難しい点だと思います。「カウンセリングを担当医に治療として勧められた」「カウンセリングを受けてみたい」こんな人は山ほどあるはずなのに、その可能性を殺してしまうのが「お金」というのがなんとも悔しいところです。

〜カウンセリングの流れ〜
私は初診で父親に精神科に連れて行かれ、担当医と2時間近くお話をしました。
今までの生い立ち、誰にどんな事をされたのか、自分で掘り起こせる限りの記憶を全て掘り起こします。先生は静かに私の話を聞いてくれて、色々と情報を引き出してくれました。1.5時間ほど話した後に父親が合流。「過去なんて変わらない。未来をどうするかが大事なのに、コイツはいつまでも過去に縋り付いてウダウダ言っている」と父親が言い放った時は惨めの極みで死にたくなりましたが、担当医がすぐに言い返してくれた事で物凄く救われたのを覚えています。

この日、私はドクターストップにて、実家を出て暮らす事、そしてカウンセリングでの治療が決定しました。カウンセリングでの治療が決定したからと言って、突然カウンセリングが始まるわけではありません。その人にカウンセリングが適切な処置なのか、精神的な問題、思考の偏りを数種類のテストによって計測。その結果を元に臨床心理士の先生とお話をして、今後の方針について定めていきます。

ちなみに、私が実施したテストは
①バウムテスト
②記述式心理検査(自宅に持ち帰り受験)
②ロールシャッハテスト
です。(検査項目の為、詳細は伏せますが、ロールシャッハには最も分かりやすく毒親による思考の影響が現れました。)

⚠️カウンセリングは本当に高価な治療なので、無理に踏み切る必要はありません

これが終わると、治療方針が決定、ざっくりしたスケジュールを教立て、カウンセリングがスタートします。(私はここまでに3回かかりました)

〜カウンセリングの注意点〜
カウンセリングの良い点ばかり書いても参考にならないと思うので、ここでネガティブポイントもお伝えします。

①コスト(先述)
②担当医、臨床心理士との相性(最大のネック)
③心療科自体の予約が大変混み合っている

①については先述したので、②③について書きます。
まず②についてですが、担当医および臨床心理士との相性は今後の自分を大きく左右します。精神科医の中には悲しい事実として「薬を沢山出しておけば良いと思っている医師」「全くこちらの話を聞かなかったり、患者を否定しまくる臨床心理士」なども一定数います。私と同じように毒親の解毒に励む友人は、実際このような病院にあたる事が多く、自分に合う病院探しに非常に苦戦しています。
精神科は紹介制が多い為、病院探しも大変+予約が半年先になる事なんてザラにある。それなのにやっと見つけた病院がこんな感じだと、気力を更に奪われてしまいますよね。私は運良く、たまたま訪れた近所の病院の臨床心理士の方との相性が凄く良かったので今の結果に結びついていますが、担当医との相性はすこぶる悪いです。(ぼったくり診察、決めつけて話を聞かないetc…)

自分に合う病院が見つかるまでは気力のいる修行ですが、見つかりさえすれば必ず良い方向に動きます。良き場所に巡り会えますように。

③精神科は非常に混み合っており、「完全事前予約制」です。気になる病院があれば、まずは電話してみましょう。基本的に電話から実際の診察までは1ヶ月〜数ヶ月かかります。思い立ったらすぐに電話してみて下さい。

〜カウンセリングのスケジュール、頻度〜
現在私は月に1回カウンセリングに通っていますが、正直保険としての通院です。親と完全な断絶が出来ておらず干渉を免れない今、最低限度の平穏さを保つ為の私の心のシェルター。親との今後の話や最近の話など、話したい事だけあけすけに話せる時間。自分の精神的な保険として通院中ですが、年内or来年春を目処に卒業予定です。一時は月に2回の通院もありましたが、距離や体力、そして状態が良くなった事を踏まえ、頻度を落ち着けています。この辺りに関してもマメに確認して下さり、自由意志に完全に任せて下さっているのでとても有難いです。

開始当初は20年近くかけて付けられた「心のクセ」を取るにはかなりの時間がかかる。その心づもりについて、臨床心理士の方とお話をしました。私は金銭的不安がカウンセリングに関しては無かった事、そして時間を掛けてゆっくり解脱していけば良いよというパートナーの助言もあって承諾しましたが、ここで自分の金銭面やスケジュールと照らし合わせて無理のないペースを決めてみて下さいね。

そして具体的なペース配分としては(一例)
①〜⑤→心理検査3種(2回)検査結果に関する質疑応答(1回)今後の目標や治療方針、現状の確認(2回)
⑥〜13→誕生から今に至る記憶のアウトプット、整理。
13〜現在→緩くお喋り。1ヶ月の振り返り。

自分の感情が動いた出来事を元に、なぜそう考えたのか、どんな経験が元なのか、今までに同じような事があったかなどを引き出して貰います。ここで自分の思考の偏り方や行動に関して振り返る事が出来るので、私はこの時間を踏まえて自分の改善に生かしたりもしています。

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