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認知症介護 「放って置く力」大事かも

自分の記憶が空白になっている事が分からないので、「絶対に自分は悪くない。悪いのは、みんなだ。」と自己防衛をするのは、認知症の症状の一つらしい。
同居の義母の認知症に何年か付きあってきて、それは分かっている。分かっているけど、上手く対応出来ない。

分かっていても、腹が立つ。まあ、人間なので仕方がない。
腹が立つけど、スルーする。
上手い事言って、宥めるのが良い対応かも知れないけど、良い対応はもうしない事にした。良い対応をしようとした時は、大抵上手くいかず、余計に拗れて自己嫌悪に陥る。その後の反省でエネルギーを使う。

良い対応をして上手くいってもいかなくても、エネルギーを消耗する。
感情的になって悪い対応すると、これまたエネルギーを消耗する。
なので、向こうが感情的になった場合は、基本、スルーして塩対応をする。
放っておく。
すると、向こうは忘れる。
忘れてるなら、話しを蒸し返したりせず、こちらも忘れる事にする。
なんか怒ってたら、放置する。

宥めようとしても無駄。

もうすぐ次男の結婚式があるのだが、おばあちゃんにとっては孫の結婚式だ。
当然、日取りも伝えて、おばあちゃんが出席するかどうかも検討し、何回も確認して出席はしない事も相談して決めた。相談しても忘れる事はわかっていたけど、その後も何度か確認はしている。当日、おばあちゃんをどうするかという事もあれこれ検討済み。

そろそろ日も近づいてきて、おばあちゃんの様子を見に来てくれた義妹からその話しが出たら、「私は日取りを一度も聞かされてなかった。今初めて聞いて、今まで誰も教えてくれないのかと、寂しい思いをした。」とかメソメソ言い出した。
本人からしたら、悲しいに違いない。おばあちゃんの頭の中では、そんな大事な事誰も教えてくれなかったなんて!となっている。
もちろん認知症の症状だから、しょうがない事で、「ごめんなさいね、早く伝えなくてすみません。」と言っておくのが教科書的かも知れない。

だが、どうしてもそんな気分にはなれない。
我ながら器が小さいが、「もう半年も前から言ってますよ。〇〇の結婚式なんだから、お母さんに当然伝えましたよ。この間も〇〇きて一緒にご飯食べた時も、結婚式の話しをみんなでしましたよね。」と普通のトーンで言う。
おばあちゃんは、この間の事は覚えていたのか、「その時、初めて聞かされたけど、その時まで知らなかった。」と、取り繕う。(この時点で供述は既に曖昧。)
夫も、「ずっと前から言ってるだろ。何回も言ったよ。」こちらも普通トーンで対応。
おばあちゃんは、「〇〇の結婚式なんだから、一回聞いたら忘れる訳がない!誰も教えてくれなかった!」と激怒。怒りながら階段を降りていく。

93歳で階段を昇り降り出来るのがスゴイし、孫の名前を覚えているのもスゴイって事で、もういいか。と、夫婦二人で放っておく。

後で、夫が、A4用紙に結婚式の日取りをプリントして渡すと、そんなことされなくても分かる!と紙をクシャクシャに丸めたらしい。だいぶ激しい。
(手書の小さいメモだと無くしたり、なぜか信用しなかったりするので、A4用紙に大きめに印刷すると信用が増すようなので、最近はそうしている。)

その後夕食時には、何も言ってこなかったので、さっきのいざこざも結婚式の日取りもまた忘れたと思う。でも、紙があるので、時々それみて思い出すだろう。シワシワになってるけど。笑

「放って置く力」大事。
お手本対応より、塩気味対応。

全ての人間関係にも使える気がしてきて、だいぶ塩味の効いた人間になってきた気がする。