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夏のはじめのセミの声

朝、目覚めて、ゆっくりと身体を起こすと左肩全体が重だるく感じた。しばらくベッドの縁に腰掛けていたが、やおら立ち上がりトイレへと歩いていく。

カキコキと音が聞こえて来そうなくらい、身体が凝り固まっている。あまりのぎこちなさに自分でも笑いそうになる。飼い猫が不思議そうに視線を送っている。

昨夜は、クーラーをかけて寝るほどでは無かった。しかし前日ジムで大暴れしたせいで、ベッドに横たわると同時に寝落ちしたようだ。頭の上では、扇風機が回しっぱなしで身体がカキコキに固まってしまったのだ。

トイレから出て、ペットボトルの水を飲み干しのろのろとベランダへ歩いてゆく。

湿り気のある、朝の涼しい空気。
薄い雲が幾重にもベールのようにかかり、富士山も眠そうだ。

朝の地球と繋がる儀式の後、カキコキに固まった身体をさすり、少しずつ起こしてゆく。じんわりと身体が伸びるようにストレッチ。

「ああ、今の時間走りに行ったらさぞや気持ち良かっただろうなぁ」などと頭をよぎる。

遠くで夏の初めのセミの声が聞こえた。

そんな気も無いくせに…

セミ達に見透かされた気がした。


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