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ひとり暮らしが恋しくて

恋人と同棲を始めてから、3年が経った。
もう3年も経つのかぁと思う反面、まだ3年しか一緒に暮らしてなかったっけ?とも思う。それくらい恋人との生活は、新鮮さを保ちながらもしっくりと私に馴染んでいる。

けれど、人というのは矛盾を抱えた生き物。
ふたり暮らしが定着すればするほど、ひとり暮らしの感覚が恋しくなる。ふたり暮らしが当たり前になったからこそ、非日常化したひとり暮らしに憧れてしまうのかなぁ。私の恋人の性格も起因している気がする。あの人は家が好きで、仕事の後もどこにも寄らずにまっすぐ帰ってくるし、土日も私が出掛けようと誘わないと家から出ない。(驚くべきことに同棲してから今まで、1度も友人と出掛けたり飲みに行ったことがないのだ。)だから今まで、私は家でなかなかひとりになれなかった。


そんな折、コロナの影響で私の会社に時差出勤が導入された。出勤時間を早番と遅番で分けることで、人同士の接触を減らそうというものだ。これにより、突然ひとり暮らし感覚を味わえる奇跡の2時間が隔週で発生するようになった。


その2時間が発生するのは、シフトが早番の週。早番の日は、16時半に退勤して18時頃家には着く。(帰る時間が早いのは良いけれど、その分起きる時間もめちゃくちゃ早いから辛い)恋人が帰ってくるのは大体20時くらいだから、それまでの2時間思う存分ひとりで過ごすなんちゃってひとり暮らしの夜を楽しむ。


家に着いたら間接照明とキャンドルに火を灯して、youtubeで好きなプレイリストを再生する。その日の気分に合わせて選んだ紅茶を淹れて、帰りに買った甘いモノを一緒にテーブルに並べれば準備完了!ゆったり紅茶を啜りながら、さて何して過ごそうかなぁと考えるこの時間がこの上もなく好きだ。とんでもなく贅沢で、かけがえのない時間だと思う。

ひとりだから、どう過ごしても良い。

読みたかった本を読んでもいいし、やっぱり気分じゃないなぁと思ったらやめてもいい。部屋の灯りをできるだけ絞って映画を観ても良いし、どんな物語も受け付けないくらい疲れている時は、JAZZを聴きながらぼんやり過ごしたっていい。
何を選んでもいいし、いくら変更したって怒られない。だって、ひとりだから。
はぁ〜、この感じがいいんだよねぇ〜。

ふたりで過ごす時間も私にとってかけがえのないものだけれど、それと同じくらいひとりの時間も大切。一緒に暮らしているからといって、自分の全てを相手に共有する必要はないと思う。その特別な2時間でしか救えない(癒せない)部分も確かにあるから。


ここまで読んでくれて、ありがとう。

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眠れない夜に

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