行き場のない私たち

私は高校3年生のとき、勉強のしすぎで脳が悲鳴をあげて、精神科にかかることになった。
そこからずっと、精神科で出してもらう薬を飲んでいる。
薬を飲まないと再発するから、ずっと飲み続けている。
だけど、Facebookで意識の高い人達の記事には、たまに、精神科の薬、例えば抗うつ薬や睡眠導入剤なんかは悪だとすることが書かれている。
そのような薬を飲んだ後に重大な事件を起こしたりする危険もあると。
だって麻薬だから、と。

それを見て私はとても悲しくなった。
だったらどうしろと言うんだろうか。
私の病気は寛解しているけれど、薬を飲まなければ必ず再発するし、それは何度も経験している。
今のところ、薬以外の治療法はない。
そんな私たちが飲んでいる薬ってそんなに悪いんだろうか。
仕事で大変でも、ちょっと無理しても、薬さえ飲んでいればなんとか生きていける。普通の生活ができる。
もし飲むのをやめてしまったら、電車に乗るのが難しくなる。当たり前のことができなくなる。世界中が敵になる。恐ろしいような世界が見に降り掛かってしまう。生と死が隣り合わせになる。
そんな怖い病気をたった3粒の薬が救ってくれる。
それを悪だと言う権利はどこにあるのだろうか。
誰のためにそんな記事、書くのだろうか。
私たちが生きても死んでも関係ないだろうに。

オーガニック思考の人達は医者を嫌う。
医者でもないのにお医者さんごっこをして、私たちが自然の力で病気を治します、という。
いつの時代の話かと笑える。

医療が救う命はたくさんある。
私も西洋医学に救われて、今を生きている。
それを侵害する権利なんて、どこにもないはずだ。

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