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論理パラドックス(2)自己言及
前回(https://note.com/baba_blog/n/n22c1e46096d8)に続いて、イアン・マギルクリストの、論理パラドックスに関する論考を紹介する。マギルクリストの主張は、人間の脳の…
論理パラドックス(1)無限と有限
前回記事(https://note.com/baba_blog/n/nc1e8e01e7857)でIain McGilchrist (イアン・マギルクリスト) の「The Matter with Things(モノの問題)」という本を紹介した。…
「単なる物理」から複雑なマインドへ: 生物学者マイケル・レビンの理論
複雑な生物システムは階層的な構造を持っている。分子は大きなスケールを持つネットワークに組織化し、それが細胞に組織化され、細胞が集まって体組織になり、それが器官、そして最終的には生物個体を形成し、更に大きなスケールで社会や生態系に組織化される。生物学者のマイケル・レビンによれば、この階層性は、単に構造的なものではない。各階層にはその階層において対応すべき問題を抱えた主体(エージェント)が存在し、「一
もっとみる論理パラドックス(2)自己言及
前回(https://note.com/baba_blog/n/n22c1e46096d8)に続いて、イアン・マギルクリストの、論理パラドックスに関する論考を紹介する。マギルクリストの主張は、人間の脳の左半球と右半球が世界を2つの異なった方法で見ており、論理パラドックスの多くはこの異なる世界観の対立から生じているということであった(左右の半球の性向の違いについてはhttps://note.com/
もっとみる論理パラドックス(1)無限と有限
前回記事(https://note.com/baba_blog/n/nc1e8e01e7857)でIain McGilchrist (イアン・マギルクリスト) の「The Matter with Things(モノの問題)」という本を紹介した。その中心的な主張は、人間の脳の左半球と右半球が、世界を2つの大きく異なった方法で見ているということであった。
パラドックスには二種類ある。一つは、一見対立