ペアリングイベント4のはなし③
では二品 / 二杯目。
流れでいうとメインですね。煉切(白あんに砂糖、山芋などのつなぎを加え練った、練り切りあんを主材としたもの)。
見た目も華やか。ところで今回のヘッダーはその煉切ではなく。
三品全て撮るのをすっかり忘れておりまして…まあ今までのも各写真を載せていたわけでもないから…とは言え撮っておけば良かったと後悔しております。
閑話休題にして、まずドリンクから。
カクテル / モクテル共に和素材をメインに据えて周りを洋素材で固めた。
カクテルは黒糖餡の煉切ということで
黒糖→黒糖焼酎→ラム
という連想から。
ホワイトでは支えるのに弱かったのと、カラメリーな部分&ある程度のパンチが欲しくてパッサーズのガンパウダープルーフ(54%)。
ただし、少し度数調整をかけた方が良いと感じたので加水して2/3くらいまで落とした。そのおかげで香りも開いて存在感も出た。
それに主張強めの味醂、隠し味にクリームシェリーで違う甘味とコクを。
違和感なくまとめられたと思っている。
あとは大根おろしを加え、煉切にもかけられているグリーンレモンのゼストを削りかけ、わかりやすい共通項を作って完成。
煉切は柔らかく抵抗ない歯触りなので、そこに少しアクセントを入れたかった+大根おろしの仄かな辛味で全体を締めたかった(レモンジュースだけでは足りないと感じたのもある)。
さてモクテル。
今回の苦労のハイライトは間違いなくコレ。
餡子×コーヒーはペアリングというよりマリアージュに近い関係性だと常々思っていたので面白味に欠ける。なので使うのに乗り気ではなかった。
ハイカカオのチョコレートを伸ばして試したりはしたもののイマイチ。けっきょく似たようなもので考えるなら意地張らずに使ったほうが賢明に思えてドリップを使ったりエスプレッソをメインにしてみたもののやはり落ち着かず。
別候補として考えていた日本茶類から見つけようと今回も一保堂へ足を運んだ。
番茶かほうじ茶だな、と考えていたところに見つけた京番茶。
これが見事にハマってくれた。
ここから試行錯誤を繰り返してとりあえずできたものの、単体ではイマイチ納得いかなかった。しかしこれが煉切と合わせてみると見事にマッチ。
京番茶のスモーキーさにエスプレッソの焙煎香と苦味、収斂感でトップ〜ミドルを作って煮切った味醂の甘みでアンダーを出し、リダクションしたトニックウォーターの苦味で輪郭の補正。
ペアリングのドリンクなんだから単体で完結させなくてもいいって事を体験として得られた。
そういう意味でこのドリンクを作れた事は大きいですね。
次は3杯目。ラスト。
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