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角田光代「タラント」

夫がPCR検査を受けたので、なんとなく買い物も控えてしまい、本を読むことが出来ました。

読んだ本の紹介

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出版社:中央公論新社
発売日:2022年2月21日
単行本:443ページ
内容:


片足の祖父、学校に行けなくなった甥、〝正義感〟で過ちを犯した主人公みのり。小さな手にも使命(タラント)が灯る、慟哭の長篇小説。

帯文章抜粋

この本を読んだ理由

以前TV番組に著者が出演、この作品について話していました。図書館で実際に見て選びました。

あらすじ

周囲の人々が〝意義ある仕事〟に邁進する中、心に深傷を負い、無気力な中年になったみのり。実家に届く不審な手紙、不登校になった甥の手で、祖父の過去が紐解かれるとき、みのりの心は、予想外の道へと走りはじめる。

帯文章抜粋

感想

444ページ余の長編で読み始めた時はいつ読み終えることができるか、途方もない絶望感みたいなものを自分で感じていました。けれど読み進めているとこれは混沌とした今こそ読むべき作品だと感じ始めました。

内容は大きくは3つで構成されていて、主人公みのりの祖父清美の戦争体験と義足、みのりが海外ボランティアと東日本大震災での経験、そして陸上選手だったという祖父とパラリンピックの選手の交流についてです。そして甥の登校拒否もそれなりの理由があり、いじめではなかったのが救いです。

テーマこそ大きいですが、文章の中に私が共感できるものや、初めて知ったことがあるのは嬉しかったです。

どっちのつらさがより大きいかじゃない。朝起きるのがいやになる、というちいさな絶望が、わかるか、わからないか、だいじなのはそこだ。あるいは、想像できるか、出来ないか。

本文p350

タラントとは新約聖書にたとえ話が出ているらしいお金の単位だそうで、様々な解釈があるらしいのですが、タレントの語源として能力だとも。

使命は才能だと思っていた。(中略)だれもが何かしらのなんということない義務感に突き動かされ、それに従って、それはつまりはそれぞれにあたえられた使命であり才能だ。

本文p437

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