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6年ぶりの新作短編集、村上春樹 著「一人称単数」(48-50)

おはようございます。相変わらず、午前中はフワフワした頭で生活しています。

沖縄地方、九州地方他台風9号の影響が大きくて、驚くばかりですが大丈夫でしょうか?
これから台風10号も接近してくるそうで、covid-19、熱中症ばかりでなく、台風の心配も加わります。身の安全を最優先に生活して行かねばと改めて思います。

さて、こんな頭ですので読書はなんとも進まず、自身も呆れるほどですが、先般発売された村上春樹氏の最新短編集を借りることができ、ようやく読み終えました。

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「一人称単数」とは世界のひとかけらを切り取る「単眼」のことだ。しかしその切り口が増えていけばいくほど、「単眼」はきりなく絡み合った「複眼」となる。そしてそこでは、私はもう私でなくなり、僕はもう僕でなくなっていく。そして、そう、あなたはもうあなたでなくなっていく。そこで何が起こり、何が起こらなかったのか? 「一人称単数」の世界にようこそ。(Amazon内容紹介より)

収録作
「石のまくらに」「クリーム」「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」「『ヤクルト・スワローズ詩集』」「謝肉祭(Carnaval)」「品川猿の告白」(以上、「文學界」に随時発表)「一人称単数」(書き下ろし)

フィクションとして短編集が発表されるのは6年ぶりとのことですが、最近は村上春樹氏作品発売のニュースにもときめかないので、本を購入することがなくなりました。

自分の体調のせいか、今回の短編集はあまり心を揺さぶることなく、静かに過ぎ去る作品が並んでいたというのが、率直な感想です。

郷愁をそそられたのは、「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beaties」

彼女はまだ、1964年のあの薄暗い高校の廊下を、スカートの裾を翻しながら歩き続けているだろうか?今でも十六歳のまま、ジョンとポールとジョージとリンゴの、ハーフシャドウの写真をあしらった素敵なジャケットを、しっかりと大事に胸に抱きしめたまま。p124

私も学生の頃、友人たちと洋楽を楽しんでいたことを思い出させてくれました。

もう一つcovid-19の世界を投影されたようなフィクショう「品川猿の告白」

究極の恋情と、究極の孤独 p216

著者お得意の世界観に猿が登場となれば、お好きな方も多いと思う作品でした。

8篇とも短編ですが、きっと体調が良ければ味わい深い作品だと思うはず。もう1度秋も深くなってから読み直したい作品です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今日のバックミュージックはこちらでした。



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