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似ているようで全く違う、新しい1日を懸命に生きる

今や本屋大賞候補定連で、ここ数年の活躍が素晴らしく、読者層も広がっている作家の今回の本屋大賞候補作を読みました。

読んだ本の紹介

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出版:2022年11月7日ポプラ社  
単行本:264ページ

あらすじ

長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家。つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの想いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく。最後に仕掛けられた驚きの事実と読後に気づく見えない繋がりが胸を打つ、心震える傑作小説。

Amazon内容紹介

感想

登場人物がポッドキャスト『ツキない話』を聴いているという、共通項を持ちつつ、それぞれも思わぬ形でつながっている、著者らしい連作短編集でした。

登場する人物は誰もが今を悩みながら、ポッドキャスト『ツキない話』に自然と救いを求めている辺りは、昔深夜ラジオのDJやリスナーからの便りを聴いて、共感していた私を思い起こしました。あの頃悪いことがあっても明日になればきっといい日が待っていると懸命に生きたものです。まさにこの作品に登場する人たちが皆同じです。

さらに、著者の作品の良さは登場人物の優しさです。現実社会はとてもギスギスしていて、家族関係も壊れがちです。ほんのひと言や行動がお互いの心をほぐしてくれるのだという、著者のメッセージに嬉しくなりました。

#シニア #いなか暮らし #つぶやき #青山美智子 #ポプラ社 #読書感想文 #読書好きと繋がりたい #note毎日更新

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