中国の詐欺事情とその驚異の手口について

中国にいると、ときどき信じられないニュースを目にします。特に電話やインターネットに関わる詐欺事件について「そんなヤバイのあるのか...」な内容も少なくありません。未だにオレオレ詐欺が問題になってる日本の安全さとの違いを痛感します。

「騙されやすい人があまりにも多くて、詐欺師が足りなくなる」と不謹慎な流行り言葉を中国のネット民たちが使っているほど、たくさんの事件が起きています。

今日は中国の詐欺事情について話したいと思います。内容の関係で、一部詳しい手口も載ってるので、たくさんシェアされたり悪用されたら嫌だから途中から有料にさせていただきます。

■忘れられない2つの事件

詐欺事件で個人的に印象に残った2つのニュースを紹介します。

1つ目は2016年8月、貧困な大学新入生が入学前に補助金を申しこんだところ、詐欺業者から「文部省関連の補助金を渡せることが決まりました、でも(巧妙な手口で)先に学費を指定の口座に振り込んでください」との連絡を受けました。苦心して貯めていた1年分の学費と生活費合計9900元(約15.6万円)を騙し取られてしまい、その後警察に被害届けを出した直後、あまりのショックで心臓発作を起こして亡くなってしまった件。
(巧妙な手口の詳細は後ほど解説します)

2つ目は中国のトップ大学である清華大学の53歳の教授が2016年8月に電話詐欺で1760万元(約2.77億円)の被害にあった件。

2つとも当時中国のネット上で大きな話題になりました。

■中国の詐欺について、データから見る

日本の場合、オレオレ詐欺などの詐欺事件は年配の方や情報リテラシーの低い人がターゲットになりやすいと思います。しかし中国では、詐欺をする人たちは年齢にとらわれず幅広く罠を撒いてきます。

さらに、モバイルインターネットやオンライン決済とネットバンクの普及によって、昔は電話で行われていた詐欺も、徐々にネットを使ったものに変化してきました。

中国インターネット情報センター(CNNIC)が2019年2月に発表した「第43回中国インターネット発展状況統計報告」によると、2018年は約26.6%のネットユーザーがネット関連の詐欺に遭遇したとのこと。単純計算すると、ネットユーザー規模は8.29億なので、約2.2 億人が詐欺に遭遇したことになります(騙されたかどうかは別として)。

また、詐欺に遭遇したネットユーザーにさらなる調査にした結果、ネット民たちが遭遇した危険な事件の上位は
・ネット詐欺
・個人情報の漏洩
・IDとパスワードの盗難
・PCのウイルスによる
となりました。ネット詐欺が28.1%で1位です。

さらに、ネット詐欺の種類についての調査では、上からそれぞれ
・偽の抽選当選詐欺
・偽の友人詐欺
・ネットでのバイト詐欺
・ネットショッピング詐欺
・偽の求人情報詐欺
・詐欺サイト
となります。種類としてはこのくらいですね。

では具体的にどんな手口で詐欺してるかを見てみましょう。

ここから先は

4,764字 / 10画像

¥ 200

よろしければサポートをお願いします。Twitterも良かったらどうぞ! https://twitter.com/bijingbball