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日本よりも炎上する中国のフェミニズムをどう思いますか?

昨日の3月8日は「国際女性デー」ですね。アメリカ発の女性の社会参加と権利向上を呼びかける日で、1975年に国連によってInternational Women’s Dayと制定されました。そして中国はこの日をとても重要視してます。中国の場合、女性労働者には法定の半日休暇が与えられるのです。

さらに最近、日本人フェミニストの活躍もバズっています。ちょうど良い機会なので、国際女性デーに対する認識やここ数年での世論の変化、中国のフェミニズム事情を伝えたいと思います。

国や文化が違えばジェンダーやフェミニズムに関する意識や考え方もだいぶ異なると思いますが、中国の場合はここに日本とは異なる制度や文化(戸籍、一人っ子政策、社会格差や教育格差など)も絡んできます。また、人口が多く多様な考えの方が自己主張するので、意見や考え方の違いで中国SNSのWeiboで炎上することがしょっちゅうです。

(いつも書いてますが、広すぎて人口が多すぎる中国では多様な意見があり全て理解することや紹介することは不可能ですが、なるべくフェアな視点を心がけて紹介しようと思います。不快な表現や内容が一部あるかもしれません、途中から少額有料です。ご理解の上で読んでください。)

まずは日本人の活躍について。ここ半年での中国での売れ行きが好調で、高評価を集めている本があることはみなさんご存知ですか?

(今でもJDの社会科学ジャンル図書ランキング1位)

フェミニストで有名な上野千鶴子さんと、作家の鈴木涼美さんのやりとりがまとめられた書籍。日本語バージョンにもアマゾンでたくさんのレビューコメントが付いていました↓

日本でも反響があったようですが、中国でとても話題になりました。その評価も凄まじく、豆瓣(どうばん)という最王手の映画や書籍の評価サービスで、2022年書籍カテゴリで第一位になっているのです。

日本の著名フェミニストと作家とのやり取りが中国の作品を抑えてのTOPとなったのには、近年の中国でのフェミニズムに関する投稿や出版の増加やジェンダー問題への意識変化があると考察が。

この書籍により、上野千鶴子さんは中国でさらに注目を集めています。そして、(おそらく中国の出版側の企画で)上野千鶴子さんと北京大学卒でバリバリ働いている女性インフルエンサーたちとの対談や、北京大学の女性学者である戴锦华(だいじんふあ)さんとの対談がともに社会的話題となり、WeiboやZhihuのトレンドをジャックするほど議論がひろがりました。

ちなみに、北京大学卒のインフルエンサーたちとの対談は大炎上しています。対談の動画はYouTubeにもありました(中国語ですが)↓

この対談での炎上の理由はいくつかあるのですが…

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