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終身雇用が終わる日本。中国には終身雇用ってありますか?

日本は終身雇用が終わるって話題で盛り上がってるようですね。今日は中国にも終身雇用があるのか?と、中国の雇用形態やその変化の歴史について書きたいと思います。

終身雇用終了の報道見ました、恐怖ですね

まず、日本の報道の映像ちょっと見ました。記事の中には

トヨタの豊田社長は業界団体のトップとして、終身雇用について「雇用を続けている企業にインセンティブがあまりない」などと述べ、今のままでは継続は難しいとの認識を示しました
経団連の中西宏明会長も「終身雇用なんてもう守れないと思っている」と発言しています。

と記載がありました。日本一の企業の社長や経団連の会長が一斉にコメントを出すということは、確実に何か意図があってのことですよね。たくさんの方々がこれについての考察をまとめてますが、恐らく「終身雇用継続の撤廃」「定年制の廃止」「年金制度の大幅変更」が日本政府からもオーソライズされるのでしょうね。

だいたい、平均寿命が100歳くらいになっていくのに「60歳くらいでリタイアして、あとずっと働かなくて老後の隠居生活する」みたいな価値観てもうおかしいでしょう。退職してから40年もありますよ、働いてた期間より長いじゃないですか。

僕は今中国で働いていますし、定年の年齢はかなり先なのですが、例えば70歳になったときの自分を想像するのって凄く怖いです。「身体も頭もいつまで元気でいられるのか?」「生きがいが無くなったりしないだろうか?」「お金大丈夫か?」とか今ですらめちゃめちゃ不安です。だって、年金とかがほとんど貰えなくなったとして、貯金がいくらあったとしても寿命がいつまでなのかわからないのだから、どういうペースでお金使っていけば良いのかわからない、スーパー難易度高い資産運用ですよね。みんな良くできますよね、そのころAIがやってくれるのかな。。

今でも不安で、これって年を重ねるごとにますます怖くなっていきそうで、そのことも怖いです。日本企業で働いてる方々も最近の報道で大なり小なり不安になったのではないでしょうか。

不安を取り除くにはまずは認知ですよ。ということで中国ではどうなのかを調べてみました。

中国の雇用は複雑、そして終身雇用もあります

他の研究員の力も借りて中国の雇用の話を調べてみてましたが、見慣れない言葉が非常に多くてとても難しいです。中国にも終身雇用とかあるの?って観点でも調べてみたんですが、その前に「事業単位」「編制」「体制内」など、中国語が話せる日本人にとっても理解できない言葉や表現がたくさん。。

でもこれらは、調べたら全部終身雇用とも繋がってきました。

中国人が職場の話をするときには「単位」「公司(会社)」の二つの単語をよく使います。感覚的には「単位」を使う対象は公務員や医者、教師、または大きい国有企業で務めている人です。そして「公司(会社)」は外資や私有企業(民間企業)に務める人を対象とする場合に使われます。病院や学校や政府機関は中国でも会社ではないからですね。

そして「事業単位」という重要な単語があります。ここでいう単位というのは、職場の言い方の一つで、「事業単位」というのは、国の行政機関が設立する生産性収入のない組織のこと。経費は公共財政でカバーする、経済決算を行わない、主に教育、科学技術、文化、衛生や労働サービスを提供する社会公共組織のことです。

また「編制」という重要な単語もあります。組織が設置した人員配置と職位の分配です。事業単位に正式に採用される人や公務員(公務員の定義は日本とあまり変わらない)は「編制(設置された職位)」と分類され、「(党または政府の)体制内」にいることとなります。難しいですか?

中国の「体制内」の「編制」の仕事は昔から終身雇用でした。そして、よほど重大なミスを起こさなければ定年まで働けますし、企業で務めた人の定年退職のケースよりも年金がだいぶ良いです。このことは中国語では「鉄飯碗」や「金飯碗」(ご飯を食べる手段としてとても丈夫っての表す表現)と呼ばれます。

(難しいですよね、図にします。もう理解できた人は次へ)

中国を大きい会社として例えると、「事業単位」≒ 生産性が低い部署、「公務員」≒ 総務と経理、「国営企業」と「民間企業」は中国を引っ張る部署なので ≒ 営業職 といった感じ。(他に農民とかいっぱいありますが、とりあえずおいておきます)。それで、そこで働く正社員たちが「体制内」で「編成」は正社員の枠のこと、バイトや派遣が「一般社員」といった形でざっくり表現できます。ちなみに「編成」の枠は決まっていて、だれか編制の人が抜けたら空きができる となります。(場所によっては死んでも入れてもらえないとこもあるそう)

中国は既に終身雇用を一部撤廃していた

そんな中国は、人口増加により定年退職の人が増え、更に、みんなの寿命も長くなってきています。当然ですが財政負担が増え大きな問題となります。でも中国は常に変化し続ける国なのです、編制の制度も変わってきています。

2010年ごろの記事によると、当時全国には126万あまりの事業単位があって、正式採用は3000万以上で、定年退職の900万と合わせて全体では4000万人を超える人が「編成」に所属だったとのこと(参考情報)。そんな状況下、2011年に中央国務院が「分类推进事业单位改革实施指导意见」(職種に関する指導書みたいなもの)を発表し、2020年までに新たな事業単位管理体制とプロセスを作るこで、編制を大幅に縮小するとしました。

例えば大学や病院などは編制の方式を止め、終身雇用から契約雇用に変更された。また、経営の必要がある事業単位(例えばメディア)を企業化管理へ移行する、これが2011年から進められています。

中国は昔から制度変更の痛みを乗り越えてきた

実際のところ、昔の中国は計画経済だったので、国有企業のほとんどは「事業単位」と同じでした。あまりにもひどいミスを起こさなければ安定して定年まで働けたのです。

しかし1990年代末に「朱镕基」の国有企業改革(民間企業化)によって多くの国有企業が解体され、600万ぐらいの国有企業社員が職を失ったとされています。(当時は国有企業の負債率が高かったので、生存のため改革行い、不要な国有企業を民営化。「朱镕基」は国を救ったとも皆を不幸にしたとも評価がわかれている)ここで、中国人の「雇用」や「鉄飯碗」など働き方に対する考えが大きく影響を受けたと言われてます。

また、中国は1986年から労働契約制を開始し、1994年7月に「労働法」が公布され、その中には「無固定期間労働契約」というのがあります。終身雇用とは言えませんが、同じ企業で連続で10年以上働いた場合、次の契約更新は無期限の契約を結ぶことになります。つまり実質的には定年まで働けるのです。

でも実際のところはさまざま理由でクビしたり、8年働いたら派遣会社経由の契約を要求されたりと、雇用側は様々な方法で無期限の契約を回避することが可能なので、実際には一生安泰とはいきません。

時代は変わるが未だに変わらない価値観もある

そして、今の中国の若者の働き方も、2000年以降の中国の社会と経済の急激な変化に伴い大きく変わってます。今でも公務員や事業単位に憧れて入りたい人は勿論いますが、かなり難関なので、それなりの実力の持ち主ならむしろ一般企業で働く、そしてその方が給料が高いのが一般的です。

しかし計画経済を経験した両親の多く、特に「体制内」で働いている親は、子供にも「体制内」で働いてもらいたいという方が多いのも事実。その時代を経て来た人たちは、体制内や国有企業じゃない職は、たとえ給料が何倍も高い外資企業で働いても、アルバイトとあまり変わらないように見えることも少なくないそうです。

いかがですか?
日本でも中国でも安定した職場で仕事を続けるのは難しいことですよね。変わらないために変わる、日々成長し続けなければ国も人も生きていけない時代を楽しみましょう!

※この2つを参考にしました


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中国情報局@北京オフィス

北京で研究員をしております。中国でバズってることや日本の皆さまにぜひ知ってほしいトピックを発信します。
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