心配はいらない　目が覚めたらきっと海の底にいるよ

空元気を暖炉にくべて生きていく

心の言葉の深刻度は声にしてはじめてわかる

心に侵入する言葉の進入角度に気をつかうこと

評判のパン屋のバゲットを心の中でフルスイングする帰り道

誰にも好かれなくていいのさ　なんて嘘さ

とびきりやさしかったあの夜からずっと夢を見ていただけだった

私の不安を慈しむ運命のたたずまい

メーターがゼロでも続く呼吸　居留守を使う運命

タイムラインに滑り落ちる今　もはや眠りこそ現実

プールの底に手がついてしまったような刹那さが　今日の夜にはある

もうだめかもと言ってしまいそうな自分を制して　イヤホンのボリュームを上げる

点と点を結び　私を包囲する犯人は私

ため息に似た口笛であきらめに似た希望を歌う

くらげのように夜道をさまよい　どこにも届かない口笛を吹く

ときめきのサイズを間違えて　不安に裏返る足もと