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④REG:USCPA学習アドバイス

こんにちは。べえたです。

前回の記事では、USCPA(米国公認会計士)の科目のうち、AUDに関する学習上のアドバイスを書きました。
AUDの学習に役立つまとめ表もご紹介していますので、興味のある方はぜひご覧いただければ幸いです。

今回は、必須科目最後の科目となるREGの学習法について、お話ししたいと思います。


REGの特徴

試験制度の概要説明記事でも書いた通り、REGは暗記系の科目であり、日本人受験生が比較的取り組みやすい科目です。

REGでは、個人や法人、パートナーシップといった各納税主体が確定申告を行う際の税務が主な論点であり、これに加えて、ビジネス法(商法など)についても学習します。

以前は、FARに次ぐボリュームの科目でしたが、2024年の試験制度改定により、試験範囲が狭くなったことも、受験生にとってはメリットと言えます。

学習時間とスコアが比例しやすい科目でもあり、AUDのように何度も不合格になる心配はあまりありません。

このようにお伝えすると、あまり難易度の高くない科目と思われるかもしれませんが、油断は禁物です。

他の科目との関連性が薄く、REG独自の論点を抑える必要があること、政治的意図による税法により、理論が一貫しない部分があること、Basisなどの難関論点も含まれていることなど、注意すべき点も多いことから、しっかりと学習時間を確保して、受験に臨む必要があります。

各論点の内容を理解した上で先に進む

さて、ここからはREGの学習法について、お話ししたいと思います。

REGは、各納税主体が確定申告を行う際の手順に沿って、論点を学習します。このため、前の論点の理解が不十分なまま次の論点に進むと、理解度が大きく下がってしまうリスクがあります。

このため、FARの学習時よりも、テキストの進み方は少し遅くなってもやむを得ないので、1つ1つの論点の理解を固めていくことが重要です。

これまで、各記事において、それぞれの科目の学習イメージをご紹介しました。

①FAR:
真っ白の壁に何度も薄くペンキを塗り重ね、最終的に全体に色を塗る作業を行うイメージ

②AUD:
ペンキが塗られた壁を見て、塗り漏れ・塗り残しの部分を指摘するイメージ

これに倣う形でREGの学習イメージを表現すると、

③REG:
各論点ごとのタイルを作成し、それを壁に順番に張り付けていくことで全体を完成させるイメージ

となります。

もちろん、1周目で全てを理解している必要はありませんが、テキストを読み進めていく中で、「これって何の話だっけ?」という疑問点が出てきた場合には、迷わず前の論点に戻って、内容を確認するようにしてください。

Formsを参照しながら学習する

REGは、各納税主体が確定申告を行う際の税務について学習するとお話ししました。

アメリカでは、各納税主体が確定申告を行う際の申告書をFormsと呼びます。
個人はForm 1040、法人はForm 1120、パートナーシップはForm 1065といった形で、各納税主体ごとに異なるFormsを用いて確定申告を行います。

REGの学習は、このFormsを使って、適切な申告を行うための知識を身につけることが目的であるため、この完成イメージを持ちながら学習することが、効果的です。

REGのTBSでは、与えられた情報からFormsを完成させるようなTBSが出題されることもありますので、その意味でも、Formsの構造を抑えることは非常に重要です。

以下の米国内国歳入庁(Internal Revenue Service)のWebサイトでは、各種Formsが掲載されています。

Forms & Instructions | Internal Revenue Service (irs.gov)

講義を聞き始める段階から、手元に印刷して、「今学習している論点は、Formsのどの部分に該当するのか」を確認しながら学習することをおすすめします。

Basisの理解度を高める

REGの中で難関論点とされるBasisの攻略も重要です。

Basisとは、不動産や動産などの財産を取引する際のGainやLossなどを算定する際に必要となるもので、「既に課税されている金額」を示すものです。

この他にも、Basisには、「財産への投資の残高」、「0以下にはならない」などの原則があり、暗記系とされるREGの中でも、理論系に近い理解が必要となる論点です。

理論が落とし込めていないまま、問題演習を繰り返しても理解を深めることが難しいので、テキストを何度も読み込みながら、MC問題についても、選択肢がなくても計算で解答ができるように演習すると、より効果的です。

Basisについては、予備校で解説講義を別途設定しているケースも多いと思われますので、テキストを1周した段階で、そちらの講義も受講されることをおすすめします。

暗記すべき項目を早めに覚える

これまで、暗記系の論点については、受験直前期に詰め込むことが有効とお話してきました。

しかしながら、REGの税法部分については、問題を解く際の前提知識として暗記すべき項目が多く存在するため、頻出項目については、早めに暗記をすることをおすすめします。

早めに覚えるべき項目としては、以下のようなものがあります。

  • Above the line deductions

  • Itemized deductions

  • Separate-line items

これらの頻出項目については、何も見なくても書き出せるようになるまで訓練することをおすすめします。

税法は、理屈ではなく政治的都合で詳細が設計されるケースも多いため、理論的に覚えることが難しいです。
このため、語呂合わせなどを使うことも有効ですので、ぜひご自身で様々な情報源を活用して、頻出範囲の知識を覚えるようにしてください。

ビジネス法を暗記する時間を追加で確保する

ビジネス法は、REGの中ではサブの試験範囲ですが、合格点へ近づくには、対策は必須です。

ビジネス法は、税法部分との関連性が薄く、TBSでの出題比率も低いですが、逆に言うと、出題の多くがMCに偏るため、MCでの出題比率は思ったよりも高いです。

暗記系の論点に共通して言えることですが、試験本番に記憶のピークを置きたいため、直前期に他の勉強に追加して、ビジネス法のMCだけを追加して回転させるなど、直前期に手厚く学習時間を確保することがおすすめです。

また、ビジネス法の論点の1つであるProfessional Responsibilitiesについては、頻出論点になりますので、この部分については、より集中的に学習すると良いでしょう。

まとめ

今回は、REGの勉強法についてお話ししました。
新制度への移行後は、日本の受験生の皆様にとって取り組みやすい科目となったため、しっかりと学習を積んで、合格をつかみ取っていただければと思います。

次回は、選択科目のBARについてご説明したいと思います。

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