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⑤BAR:USCPA学習アドバイス(選択科目)

こんにちは。べえたです。

前回の記事では、USCPA(米国公認会計士)の科目のうち、REGに関する学習上のアドバイスを書きました。

今回は、選択科目であるBARの学習法について、お話ししたいと思います。

なお、BARは2024年の試験制度改定に伴い、新設された科目であり、私自身が受験した経験はありません。
しかしながら、試験範囲については、制度改定前のFARとBECの一部の論点から設定されていますので、その範囲の学習経験をもとに、記載させていただきます。

新試験制度が始まったばかりであり、情報も出揃っていない状況ですので、参考情報としてご覧いただけると幸いです。


BARの特徴

試験制度の概要説明記事で書いた通り、BARは計算系の科目であり、英語ネイティブの受験生との差が出づらい科目です。
このため、日本の受験生にとっては、比較的対策がしやすい科目であり、多くの受験生の方々が選択されると予想されています。

試験範囲としては、FARの知識を基礎とした発展論点と、管理会計(工業簿記)、ファイナンス、経済学、政府会計・公会計などの新規論点から構成されます。

FARと類似する点が多い科目ですが、選択科目だけに難易度の高い論点を数多く学習する必要があり、難易度は高いと考えられます。

BARの勉強法

BARの学習については、FARやAUDの学習法を活用することができます。

(1)テキスト・問題集の回転

BARはFARと同様に、試験範囲が広いため、テキストと問題集を早く回転させ、知識を定着していくことが重要です。

テキストと問題集の回転方法については、全科目共通の学習アドバイス記事に詳しく記載していますので、よろしければぜひご覧ください。

(2)論点の分類

BARは、AUDの記事で触れた学習法と同様に、論点を分類することが有効です。

①計算系の論点

BARの中の計算系の論点は、以下のようなものがあります。

  • 財務会計(FARの発展論点)

  • 管理会計(工業簿記)

  • ファイナンス

これらの論点は、FARよりも複雑な計算が必要な論点も多く、FAR以上に高い計算力が求められます。

複雑な計算に対応するため、スプレッドシートを利用した計算も日ごろの学習の中で訓練すると良いでしょう。

難易度は高いものの、英語ネイティブの学生との差異が生じにくい分野でもあるので、着実に理解を深めていくことを心がけてください。

②暗記系の論点

BARの中の暗記系の論点は、以下のようなものがあります。

  • 経済学

  • リスクマネジメント

  • 公会計・政府会計

これらの論点は、「知っていれば解けるが、知らなければ絶対に解けない」問題が出題されるため、学習時間をかければ、スコアが伸びやすい論点です。

これらの分類に応じて、学習の際に意識する点を使い分けることが重要です。

管理会計を得点源にする

計算系の論点の中でも、新たな論点の1つである管理会計(工業簿記)を得点源にできると、強力な武器にできます。

管理会計は、問題で問われている内容が理解できれば、算数や数学の知識をベースに解答することができる問題も多く、知識の汎用性が高い論点です。

財務会計と異なり、会計基準の変更の影響も受けにくい分野ですので、過去問(RQ)も遡りやすいため、理解の精度を高めやすいのも魅力的です。

日商簿記2級の工業簿記と比較しても、難易度は比較的易しいので、得点源とできるよう、頑張ってください。

なお、問題で問われている内容を勘違いすると、正答が困難になるリスクが高いため、全部原価計算ー直接原価計算、実際原価計算ー標準原価計算、個別原価計算ー総合原価計算などの概念については、英文を読んで区別がつけられるようになる必要があります。

暗記系論点は直前期に追加学習

これまでの記事でも触れてきましたが、暗記系の論点については、受験直前期により時間を手厚く確保する方が効率良く学習ができます。

暗記系の論点は、他の論点との関連性が低く、記憶が抜けないうちに受験することが重要であるため、直前期は暗記系の論点だけを抽出してMCを追加で回転することがおすすめです。

特に、公会計・政府会計については、問題の問われ方が独特であるため、RQを使ったトレーニングが効果的です。


以上、BARの学習法についてお話させていただきました。
他の科目の学習方法が応用しやすい科目ですので、これまでの学習経験を生かして学習をしていただければと思います。

その他の選択科目について(ISC・TCP)

BAR以外の選択科目には、ISCとTCPがあります。

これらの科目については、選択される方が限られると思いますので、簡単にコメントさせていただきます。

(1)ISC

内部統制やデータ管理に関するITや情報システム関連の分野を学ぶ科目です。

MCの配点比率が他の科目より高い(60%)ことが特徴であり、MC問題が得意な方は、検討する価値はありますね。

ただし、かなり専門的なIT分野の論点が問われる可能性もあるので、実務でITや監査関係の経験を積まれている方が選択することが望ましいと思われます。

(2)TCP

REGの内容を基礎に、より発展的な税務分野を学ぶ科目です。

内容としては、REGの延長線上であるため、前回の記事でご紹介したREGの学習法をベースに、学習することが可能です。

税務関連の業務に従事している方には、おすすめできる科目です。

また、REGと同様に学習時間とスコアが比例しやすい科目でもあるため、暗記系が得意な方は、選択科目として検討する価値があると思います。

個人的には、BARとTCPのテキストを見比べ、ご自身に合うと思われる科目を選択することがおすすめです。

まとめ

今回は、選択科目であるBARの学習法を中心にお話ししました。

今回の記事までで、USCPAの試験制度や学習法について、一通りご説明しました。
学習に取り組まれている方や、受験を検討している方にとって、少しでも参考になる点があれば幸いです。

次回は、USPCAを学ぶ上での基礎知識を身につけるのに役立つ日商簿記検定について、お話ししたいと思います。

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