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【22】【物語後編】改めてリーマンショックをちゃんと知ろう

おはようございます、こんにちは、こんばんは。
おかゆです。

初の前後編、しかも物語。
なんだか不思議な感じですが、
わりと書いていて楽しいです。

(前編はこちらの記事の真ん中あたりから)

マンガで読める○○とか書いた人も
こんな気持ちだったのかな、
とか考えて、一人でニマニマしてます。


さて、早速続きいってみましょう!


(前回のあらすじ)
マイホームが欲しいが資金力が足りない
デニー・ジョナサン夫婦。
テレビCMでサブプライムローンの存在を知り、
すぐに活用してマイホームを購入。

その頃ラーメン・リーマン兄弟は
サブプライムローンを証券化するという
アイディアを思いつき、
多くの投資家がその証券を買いあさった。


訪れた暗雲

「ねえ、デニー。ゼリアも来年から小学生よ。
 そろそろ家の値段も上がったでしょうし、
 あなたの収入も上がったわ。
 低い金利のローンに組み換えしておかない?」

「そうだな。確かにもうすぐ固定金利から
 変動金利に変わってしまう時期だった。
 危ない危ない、忘れていたよ。
 早速週末にでも不動産屋に行ってみるか。」

相変わらずこうと決めたらすぐに動くデニー。
しかし週末に訪れた不動産屋では、
思いもしない言葉をかけられます。

「なんだと!?
 全然価値が上がっていないじゃないか!!
 購入の時に聞いていた話と違うぞ!!」

「あなた、落ち着いて。」

デニーをなだめるジョナサンですが、
その手は震えていました。

「恐れ入りますが、
 お客様がマイホームをご購入された時期までは
 不動産の価値が順調に伸びていたのですが、
 そのすぐ後から伸びが小さくなっておりまして…」

「なんてことだ…じゃあローンの組み換えは…」

「大変申し上げにくいのですが、
 お客様の財政状況を鑑みると、
 低金利のローンへの組み換えは出来かねます。」

「そ、そんな…」

あまりの衝撃から、膝から崩れ落ちるジョナサン。

ジョナサンの震える肩を抱きながら
デニーが辺りを見渡すと、
他のブースでも同じように絶望の表情を浮かべる客と申し訳なさそうにする店員、という構図が
あちらこちらで発生していました。

「一体、何が起きてるんだ…」


リーマンブラザーズの窮地

「おい、リーマン!また株価が下がってるぞ!
 俺の金が!また減っちまう!!」

「うるさい!なんとかするしかないだろう!」

「そのなんとかってなんだ!」

「少しはお前も考えろ!このバカ!」

「なんだと!?この野郎!」

ニューヨークでは、ラーメン・リーマン兄弟が
取っ組み合いのケンカを始めてしまいました。

しかしラーメンの焦りももっともです。

この頃のアメリカでは
デニー・ジョナサン夫婦のような家庭が続出し、
返済不能者や家の差し押さえが大量に発生。

その結果、ローン会社が規模の大小に関わらず
倒産間際、というところまで追い込まれたのです。

しかしローン会社が倒産してしまうと
社会に与える影響が大きすぎる
と判断した米国財務省は、
ローン会社への金銭的支援を実施。

なんとか倒産は免れたものの、
サブプライムローンへの信用は失墜

リーマンブラザーズの株価も
暴落の一途を辿っているのです。

そんな出口の見えない状況でケンカを続ける
二人に、声を掛ける者が現れました。

「もう無理だろお前ら。諦めろよ。」

「「レーメン!!」」

「おう。久しぶりだな。邪魔するぜ。
 お前ら、財務省の方針について聞いたか。」

久々に二人の元へ現れたレーメンですが、
にこりともせずに椅子に座り、
二人へそう問いかけました。

「方針とはなんだ、レーメン。」

米国財務省はお前たちへの支援をしない
 俺も耳を疑ったんだが、決定事項だそうだ。」

「なんだと!?」

「お前らデカくなりすぎたんだとよ。
 自分たちで何とかしろってこった。」

「「そんな…」」

その数日後、ラーメン・リーマン兄弟は
会社を存続させる手立てが何もない事を知り、
連邦裁判所に倒産法適用の申請
する事となるのでした。

リーマンブラザーズの倒産は
全世界に衝撃を与えました。
なにせリーマンブラザーズは当時、
アメリカ五大投資銀行グループ第4位。
負債総額はなんと約6000億ドル(約64兆円)にも上りました。

その結果、リーマンブラザーズが発行していた
社債や投資信託を保有していた
企業や投資家はもちろん、
対応が遅れた結果として
リーマンブラザーズの倒産を招いた
アメリカ合衆国議会・連邦政府への信用が失墜。

世界の中枢であったアメリカへの不安から、
世界的な金融危機に陥ることになったのです。


日本への影響

日本にもその影響は及びました。
リーマンブラザーズが倒産法を申請したのが
2008年9月15日月曜日。

その前の週の9月12日段階では
日経平均株価終値は12,214円でしたが、
1か月後の10月28日には
一時6,000円台まで下落しました。

その結果、派遣切りや雇止めが発生し、
就職氷河期と呼ばれる時代が
到来することになります。




あとがき


いかがでしたか。
個人的にはわりとイメージしやすく
書けたと思っていますが、
それはここまで読んでくださった
あなたが決めることですね。

一応触れておくと、
登場人物の名前に特別な意図はありません。
ファミレス業界に恨みがあったりもしません。
(ほんとに)

なんならわかりやすく書くために作ったせいで、
デニー・ジョナサン夫婦や子供のゼリアの
ハッピーエンドが書けなかったのが
心残りなぐらいです。




なんか作家みたいなことを書いてしまいました。
ともあれリーマンショックについて、
背景や起こった事は自分の中で理解できました。
この記事を読んでくださったあなたの
理解の一助になっていれば幸いです。

少し日を空けて、今起きている
AIバブルや日米の株価高騰が
どんなリスクを抱えているのかについても、
今回取り上げたリーマンショックの歴史を踏まえて
考えてみようと思っています。
その時はまた記事にするので、お楽しみに!


ではまた!

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