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残りものうどん

今年の私は「考えすぎない」を意識している。

考えすぎずに、動く。動いてみると、次にやることが見つかる。


先日の寒い朝、朝ごはんの用意をするのがおっくうだった。けれども、ハラは減っている。どうしようかと思って、とりあえず、キッチンへ行った。

ガスコンロの上に、お鍋がひとつ。フタをしたまま、置いてあった。

「これ、なんだったっけ?」と思いながら、フタを開けると、前の晩に自分でつくった煮物の残りであった。

あ、そうか。昨晩、自分でつくった煮物をつまみに、焼酎のお湯割りを飲んだ。ほろ酔いになって、片づけるのがめんどくさくなり、そのままにしておいたのだった。

うん、それなら、この煮物を食べればいいんじゃないか。

そう思ったものの、煮物だけではもの足りない。冷蔵庫を開けてみると、幸いなことに、賞味期限切れ間近のうどんが一食分、残っていた。

おお、こんなところに、うどんが。それは、完全に私の記憶から消えていたうどんであった。

さらに冷蔵庫には、10個入りの卵パックに卵が2個、鎮座していた。それも取り出した。ガスコンロの火をつけ、鍋に入っている煮物の残りにお湯を加え、うどんを袋から取り出して投入した。

卵はうどんがあったまってから入れよう、と思ったが、それもめんどくさくなって、あったまる前に入れた。

そのまま鍋にフタをして、弱火にする。うどんがあったまる間に、着替えをして、身支度を整える。

部屋着から外出用の服に着替えると、気分がかわる。

外出着になってキッチンへ戻り、鍋のフタを取って、うどんの様子を見た。できあがってはいたけれど、卵の白身がかたまりすぎている。

見た目はイマイチだな、と思った。

煮物の残りという具材とともに、うどんをどんぶりに盛り付ける。

「いただきます」

何も考えずに、残りものだけでつくったうどん。おっくうだったけれど、とりあえずつくったうどん。アツアツをすすりながら、これはこれでおいしいじゃないか、と思った。でも、もっとちゃんとつくれば、もっとおいしそうにできたな、とも思った。

次なる課題は、見た目もおいしそうなうどんをつくることである。できれば、何も考えずに。

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