日本人は遺伝子的に不安を感じやすい
日本は生きづらいなと感じることありませんか?
急速な時代の変化もあると思いますが、年々そのように感じる人が増えていると言われています。
その原因について、社会学や経済学の視点からすでに多くの検討が行われており、近年のデータによれば、日本人は世界で最も不安を感じやすい傾向にあると言われています。
では、その理由について解説していきます。
不安と脳内ホルモン
不安を感じるメカニズムには脳内ホルモンが関係しています。
その中でも、3つの主要な脳内ホルモンである「セロトニン」「ノルアドレナリン」「ドーパミン」が重要な役割を果たしています。
セロトニン: セロトニンは不安感を抑え、楽観性を増すホルモンで、精神の安定に寄与します。
ノルアドレナリン: ノルアドレナリンは興奮や覚醒を調節し、活動的な状態に導きます。しかし、ストレス時にも反応します。
ドーパミン: ドーパミンは新しいことを探求し、好奇心の源とされています。
特に、「セロトニン」は不安に直結する物質で、精神の安定を保つために重要です。セロトニンはノルアドレナリン(ストレスホルモン)の作用を抑え、同時にドーパミン(快楽ホルモン)の作用を制御します。
日本人はセロトニン物質が少ない
精神の安定に欠かせない物質であるセロトニンは、放出された後に分解されますが、一部のセロトニン物質はシナプスに回収され、リサイクルされます。このセロトニンを再回収するのが「セロトニントランスポーター」と言います。セロトニントランスポーターの少ない人はリサイクルされるセロトニンが少ないため、セロトニン不足に陥りやすくなる傾向があります。
セロトニンには、「L型」と「S型」の2つの遺伝子型があり、L型はセロトニンの生成が多く、S型はセロトニンの生成が少ない傾向があります。
遺伝子の型は「SS型」、「SL型」、「LL型」の3種類の組み合わせがあります。
SS型:の遺伝子を持っている人は不安を感じやすい人
LL型:の遺伝子を持っている人は楽観的な人
SL型:SS型とLL型の中間な人
日本人の中で「SS型」が多い一方、アメリカ人では「LL型」が多いことが明らかになっています。
「SS型」の人々は不安を感じやすく、一方で「LL型」の人々は楽観的でストレスに対しても精神的に安定しているとされています。この遺伝子の分布には地域差があり、日本が災害大国であることが影響している可能性が考えられます。
不安を克服する方法
不安感を克服するためには、認知行動療法などの方法があります。このアプローチは、不安の原因を明確にし、それに対処するための具体的な方法を見つける手助けをします。不安が具体的な課題として認識されることで、それに対処できるようになります。
また、不安から逃れるためには行動が不可欠です。不安が解決するのは、行動を通じてであり、成功体験から自信を得ることができます。
これらの結果はマイナスな面ばかりではなく、日本人のリスク感度や長期的な視点を活かしながら、不安を明確にし、コントロールすることで、新しいアイデアやイノベーションを生み出す可能性を広げることもできるでしょう。
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