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「あつい本」の棚の本 期間23/12/29-

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テーマ「あつい本」の中から、いくつかをご紹介
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記事一覧

棚の本:亡き王女のためのパヴァーヌ

棚の本:亡き王女のためのパヴァーヌ

韓国人作家のパク・ミンギュが描く、美と愛の相剋。

くまとら便り

『亡き王女のためのパヴァーヌ』は、最近実店舗を終えられた忘日舎で買わなかった本として、記憶に残っています。

読書会に出たいと思い立ち、直前にAmazonで注文したのですが、12月の忙しない時期で、ほとんど読むことができず、結局読書会には参加できませんでした。

2018年、クリスマス間近の時期に、韓国文学&男性作家による恋愛小説

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棚の本:水車小屋のネネ

棚の本:水車小屋のネネ

津村記久子さん、自身最長の長編小説。
谷崎潤一郎賞を受賞されました。

くまとら便り

津村記久子さんは、時々読んでいて、棚にも「この世にたやすい仕事はない」を置いたことがあります※。日経新聞(電子版)の連載小説でした。

「水車小屋のネネ」は、毎日新聞夕刊で連載されていました。
「誰かに親切にしなきゃ、人生は長く退屈なものですよ」という帯の言葉が、じんわり染みるお話です。

タイトルについて書き

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棚の本:長い一日

棚の本:長い一日

滝口悠生さんの、暮らしについての長編小説。

くまとら便り

小田原行きの急行の中で、冒頭の一行を書きました。
いつもの電車でない電車に揺られながら、「悠生」というお名前と、「長い一日」というタイトルは、なるほど関係があるかもしれないと、ふと思いました。
暮らしていく、という意味において。

引越しすると、毎日乗る電車とか、生活環境が変わります。
暮らしと、人生が、大きく変わります。

引越は、自

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棚の本:源氏物語 A・ウェイリー版1

棚の本:源氏物語 A・ウェイリー版1

今回の棚のテーマは、「あつい本」です。

「厚い本を読もう」と思って「うすい本」を手に取ってみたり、手に取ったら読むのが遅かったり白目をむいてみたりで、とうとう年末になってしまいました。

棚主の主観により、ハードカバーは厚さ3cm、文庫本は厚さ2.5cm程度を、「あつい本」の一応の基準としています。

くまとら便り

「枕草子」は好きでしたが、自分が「源氏物語」を読めるとは思っていませんでした(

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