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ヨーロッパの歴史あれこれ

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フランク王国の衰退とカトリック教会

フランク王国の衰退とカトリック教会

西暦800年12月25日、フランク王国の国王カール大帝は、第96代ローマ教皇レオ3世によって「ローマ帝国皇帝」を戴冠しました。
この戴冠は、西ローマ帝国の復活を象徴する出来事でした。

戴冠式の儀式は、カール大帝の権威と地位を象徴するものであり、ローマ教皇自らがカール大帝に帝冠を授けることにより、教会が世俗の権力者を公認するという重要な意味を持っていました。
カール大帝の戴冠は、教皇と皇帝の関係を

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 12世紀*プランタジネット朝が創立されるまで

12世紀*プランタジネット朝が創立されるまで

14世紀~15世紀に起きた百年戦争(1339~1453年)は、プランタジネット家とヴァロワ家のフランス王位をめぐる争いでした。
ぶっちゃけ「お家騒動」だったんですね。

この記事では、その遠因と言われているプランタジネット朝が創立されるまで経緯のあれやこれやを備忘録として書きます。
相変わらず長くマニアックな内容ですが、よかったらお時間あるときにゆっくりお読みください。

プランタジネット家
プラ

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Pirates of the Caribbeanと英・ステュアート朝

Pirates of the Caribbeanと英・ステュアート朝

あることを調べていると、関連した別のことが出てきて、それを調べると、さらにまた気になることが出てきて・・・という感じで、最初に調べていたことから遠く離れてしまったような数年を過ごしていましたが、それらはすべてひとつのことが別の形で現れているのでした。

ところで、海賊といえば、私が子どもの頃に抱いていたイメージは・・・

ピーターパンの宿敵・フック船長。
でも、お若い方は『パイレーツ・オブ・カリビ

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スコットランドのseven ill years(1690年代)

スコットランドのseven ill years(1690年代)

17世紀の終わり、中央ヨーロッパでは大飢饉が発生しました。
1645年から1715年は、太陽黒点の観測数が著しく減少し、太陽磁気活動が弱まったマウンダー極小期で、ヨーロッパ、北米大陸では冬は著しい酷寒、夏は冷夏が続いていました。

また大規模な火山噴火も続き、アイスランドのヘクラ(1693年)、インドネシアのセルア(1693年)、アボイナ(1694年)火山が大噴火しています。
噴火により発生した硫

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「火の時代」皇帝クラウディウスとブリタンニア征服

「火の時代」皇帝クラウディウスとブリタンニア征服

ガイウス・ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザーGaius Iulius Caesar)は、ブリタンニア侵攻(紀元前54年)からガリアに戻ると、再びブリテン島に戻ることはありませんでした。
軍隊も残さなかったため、本気で征服しようという気はなかったと思われています。

20世紀以降、『ガリア戦記』は、シーザーのイメージを高めるためのプロパガンダだったという解釈も広まっています。

今回もマニアッ

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紀元前54年「水の時代」シーザーとガリア・ブリタンニア征服

紀元前54年「水の時代」シーザーとガリア・ブリタンニア征服

「紀元前のブリテン島とビーカー人」の続きの内容になります。

この記事では、ガイウス・ユリウス・カエサル Gaius Iulius Caesarを英語読みの「ジュリアス・シーザー」、または「シーザー」と記載します。
理由は、私が子どもの頃からそう覚えていたから(笑)

ちなみにローマ人の名は、普通三つからなり、ガイウス・ユリウス・カエサルの名前は、「ガイウス」は個人名で、「ユリウス」はユリウス氏族

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紀元前のブリテン島とビーカー人

紀元前のブリテン島とビーカー人

2月もマニアックな記事を書いていきたいと思います。
備忘録も兼ねているので、くどい内容になってしまいますがお許しください。

「西暦60年のブーディカの反乱」で、ローマ帝国のブリタンニア征服について書きましたが、ローマ帝国による最初のブリテン島の侵攻は、共和政ローマ末期の政務官ガイウス・ユリウス・カエサル(紀元前100年 - 紀元前44年)がガリアで戦っている最中の出来事でした。

ガイウス・ユリ

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ドイツの始まりとフリッツラーの町

ドイツの始まりとフリッツラーの町

ドイツ連邦共和国ヘッセン州北部にあるフリッツラー (Fritzlar) は、人口約16000人ほどの小さな町ですが、中世の神聖ローマ帝国の起点となった聖堂と皇帝の街と言われています。
フリッツラーは、「平和の街」を意味する Friedeslar に由来するそうです。

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この記事はフリッツラーに関係したある人物について書いていきますが、その前に知っていたつもり

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