青の洞窟

主に認知症の母を介護することについて書いています。テーマは「ハンデを背負う生きづらさを…

青の洞窟

主に認知症の母を介護することについて書いています。テーマは「ハンデを背負う生きづらさを智を以て楽にしていくこと」

記事一覧

名付けのセンスからして不適切だと思う話

 「不適切にもほどがある!」 こちらが今期の私的ベストドラマです。  今日は、認知症の母を介護する娘の立場から「老人ホーム」だとか「認知症グループホーム」のネーミ…

青の洞窟
2か月前
2

中年が厨二病で病苦を乗り切る話

「また入院することになったの」 と、職場の同僚に話をしたら、それじゃ退屈だろうからといくつか本やアニメを勧めてくれた。 同年代、同世代は、私が仕事に穴をあけてし…

青の洞窟
2か月前
10

妄想深読み人間ドラマ

例によってまたしても病院のお世話になる。介護生活に疲れた身には、入院は合法的なゲッタウェイ手段であり、読書や映画鑑賞三昧の日々を、痛い処置の苦しみと引き換えに堪…

青の洞窟
2か月前
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生きづらくなる地味な理由

 後期高齢者であり、認知症の始まった母は、いわゆる「フレイル」状態となっている。  もともと母はよく出かける人だった。朝は喫茶店でコーヒーを飲み、家事や仕事を済…

青の洞窟
2か月前
5

打率が低くても振らなきゃ当たらない

以前、人生の打率が、思ってたより低いという主観について書いた。 長距離バッターでもアベレージヒッターでもない。俊足巧打を売りにするわけでももちろんない。 野球を…

青の洞窟
3か月前
5

雨をしのぐ

 入院した日はまだ暑かったのに、今日は病院の院内着だけでは肌寒く、初めてカーディガンを羽織った。 五月 自分が子宮筋腫による過多出血 六月 地域包括支援センター…

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青の洞窟
7か月前
2

踏み出せない一歩

 アルツハイマーの母は、自分がその状態であることを知らない。  告知するメリットは、自らその状況を打開しようとしたり、将来の為にできることを考えられたりすること…

青の洞窟
8か月前
4

知らない方が良かったこと

 「アルジャーノンに花束を💐」  ダニエル・キイスのベストセラーである。    ネタバレが気になる方はここから気をつけていただきたいが、この小説は「知らない方が良…

青の洞窟
9か月前
10

母の居ぬ間に

 日頃の常ではあるが、人生に、生活に、疲れているのである。  そういう時には大体、以下のようなことがやりたくなくなる。 人と話すのがめんどくさくなる 顔を洗うの…

青の洞窟
10か月前
4

SNSとの距離感

 「アルジャーノンに花束を」  この本が紹介されている。  YouTube shorts のおすすめに出てくる短い動画をめくり続けていたら出てきたのだ。  コロナ禍まで、私はYou…

青の洞窟
10か月前
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ニンゲン成功率.218

2割1分8厘。 某プロ野球地方球団のリーディングヒッターの打率である。  人生のありとあらゆる選択や行動の結果がこの成功率だったら、どうなのだろう。 ふーん、ま…

青の洞窟
10か月前
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名付けのセンスからして不適切だと思う話

名付けのセンスからして不適切だと思う話

 「不適切にもほどがある!」
こちらが今期の私的ベストドラマです。
 今日は、認知症の母を介護する娘の立場から「老人ホーム」だとか「認知症グループホーム」のネーミングセンスが不適切、とまでは言わなくてももう少しセンスがあるものに変更できないかというご提案を試みましょう。

 コンプライアンスが厳しい令和(2024年)とそうではなかった昭和(1986年)を舞台とするタイムスリップものであることから、

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中年が厨二病で病苦を乗り切る話

中年が厨二病で病苦を乗り切る話

「また入院することになったの」
と、職場の同僚に話をしたら、それじゃ退屈だろうからといくつか本やアニメを勧めてくれた。

同年代、同世代は、私が仕事に穴をあけてしまう迷惑も顧みず、親切である。「明日は我が身」を知るからこその厚意をとても有り難く感じ、喜んでその方のオススメするラノベをお借りして入院に挑んだ。

「必ず読んでよ。そして語ろう。元気で戻ってきてね。」というメッセージを感じる。

借りた

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妄想深読み人間ドラマ

妄想深読み人間ドラマ

例によってまたしても病院のお世話になる。介護生活に疲れた身には、入院は合法的なゲッタウェイ手段であり、読書や映画鑑賞三昧の日々を、痛い処置の苦しみと引き換えに堪能させてもらって、日々の苦しさから逃避するのである。

実際のところ、現実には悠長なことを言える病巣ではないのだけれど、そんなのは検査結果が出るまで医師でさえ分からないことなのだから、知るまでは知らないことにして、この穏やかな入院ライフを満

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生きづらくなる地味な理由

生きづらくなる地味な理由

 後期高齢者であり、認知症の始まった母は、いわゆる「フレイル」状態となっている。

 もともと母はよく出かける人だった。朝は喫茶店でコーヒーを飲み、家事や仕事を済ませたら夕方はサウナに行く日もあった。
 元気だった母が少しずつ不便さや面倒くささを感じるようになって出かけなくなったのは、身体能力の低下だけが理由ではないと感じる。

 数年前、母がよく利用していた駅前のゆうちょ銀行ATMが撤退した。こ

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打率が低くても振らなきゃ当たらない

打率が低くても振らなきゃ当たらない

以前、人生の打率が、思ってたより低いという主観について書いた。

長距離バッターでもアベレージヒッターでもない。俊足巧打を売りにするわけでももちろんない。

野球を例えに挙げているが、
私が実際に今いるのは、あちこちで疲労と不安と退屈の混じった溜め息をする患者さんの「はぁー」という声が聞こえる病院の待合室である。

the⭐︎現実

内視鏡検査の回数はこれで生涯を通して20回くらいになっただろうか

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雨をしのぐ

雨をしのぐ

 入院した日はまだ暑かったのに、今日は病院の院内着だけでは肌寒く、初めてカーディガンを羽織った。

五月 自分が子宮筋腫による過多出血

六月 地域包括支援センターで母の施設探し

七月 自分がポリープ切除手術と腫瘍発見

八月 母が訪問介護とデイサービス利用開始

九月 福祉制度や相続に関わる勉強

十月 入院、手術

こうして見ると、自分の病気が見つかってから駆け足で人生の撤退戦準備が始まった

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踏み出せない一歩

踏み出せない一歩

 アルツハイマーの母は、自分がその状態であることを知らない。

 告知するメリットは、自らその状況を打開しようとしたり、将来の為にできることを考えられたりすることだろうが、うちの母の場合、そうではないことが想像される。

 時々、母は「母親マウント」を取る。「私が世話されてるんじゃなくて、世話してやってる」スタンスである。そのポジショントークが、母の意識や活動の拠り所なのだから仕方ないと諦めている

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知らない方が良かったこと

知らない方が良かったこと

 「アルジャーノンに花束を💐」
 ダニエル・キイスのベストセラーである。
 
 ネタバレが気になる方はここから気をつけていただきたいが、この小説は「知らない方が良かったこと」を考えさせる。

 主人公は「知れて良かった」と感じているようにも読み取れなくはない事柄、事実、周囲の反応について、私は、気付かないでいた為にこれまで生きてこられたというのが読後感だ。

 母が認知症で、多くの物を失くしてし

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母の居ぬ間に

母の居ぬ間に

 日頃の常ではあるが、人生に、生活に、疲れているのである。

 そういう時には大体、以下のようなことがやりたくなくなる。

人と話すのがめんどくさくなる

顔を洗うのがめんどくさくなる

外出がいやになる

 大体、1-3のどの地点がスタートであれ、この3つは循環する。特にこの時期は「外は暑いから」「紫外線強いからお肌に悪い」等の理由づけにより、さらに強化されるのが特徴だ。

 母がアルツハイマー

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SNSとの距離感

SNSとの距離感

 「アルジャーノンに花束を」
 この本が紹介されている。
 YouTube shorts のおすすめに出てくる短い動画をめくり続けていたら出てきたのだ。

 コロナ禍まで、私はYouTubeを見ることがなかった。YouTubeだけではない。InstagramやTikTokといった、流行りのプラットフォームに関心がなかった。

 アカウントを取り、一時期没入したものの、
今はもうあまり触れていない。

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ニンゲン成功率.218

ニンゲン成功率.218

2割1分8厘。

某プロ野球地方球団のリーディングヒッターの打率である。

 人生のありとあらゆる選択や行動の結果がこの成功率だったら、どうなのだろう。

ふーん、まあまあやるやん

低っ!ルーザー確定

それよりも!3回弱の成功の為に10回振りに行っててえらい!

 捉え方は千差万別。人によって大きく変わるし、同じ人であってもその日その時のコンディションでどう考え出すか分からない。

 人生.2

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