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映画「怪物」を観て

3月24日「怪物」という映画を観た。
2023年の日本映画で、是枝 裕和 監督の作品だ。

キャストは、麦野早織役の安藤 サクラ保利道敏役の永山 瑛太麦野湊役の黒川 想矢星川依里役の柊木 陽太、伏見真木子役の田中 裕子、星川清高役の中村 獅童などである。

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あらすじは、

大きな湖のある街で起きた雑居ビル火災に始まり、物語は3人の視点で描かれる。
シングルマザーの麦野沙織は、息子の麦野湊(みなと)と一緒に消火活動を自宅から眺めていると、不意に彼から「豚の脳を移植した人間は?人間?豚?」と問われる。その後、息子の身の回りで不審な出来事が相次ぐ。
いじめや教師からの暴力を疑った沙織は小学校へ通い詰め、湊の担任である保利道敏や校長らを問いただす。このとき沙織は、他の教員から、校長が最近孫を事故で亡くしたことを知らされる。
一方で保利は、湊が星川依里(より)をいじめているのではないかと疑念を抱いていた。依里の父である星川清高の自宅を訪ねると、「あれは化け物。人間ではない、豚の脳が入っている」と告げられた。しかし最終的には沙織に追い詰められ、依願退職せざるを得なくなる。
湊は、たまたま教室の片付けで一緒になった依里と親しくなる。依里が見つけたという、廃トンネルの先にある捨てられた鉄道車両を二人だけの秘密基地にして、生まれ変わる瞬間という「ビッグランチ(ビッグクランチの誤用)」を迎える準備を進める。
二人っきりで過ごす日々が続いたある日。依里から転校するという事実を告げられ、湊はショックを受ける。
それから何か月もたった、ある日。台風が迫る中で、湊は何日も姿を見せない依里を連れ出し、家を飛び出す。残された作文から真相を悟った保利は、早織と共に後を追った。

出典:Wikipedia

と、いった内容。
で、観終わっての感想。

映画の途中まで、依里が怪物?と思っていた

この映画は、よくできている。
最初の印象と、観終わったあとの印象では、ガラッと変わる。
タイトルが「怪物」だけに、映画の中で怪物を探してしまう。
誰が怪物なんだろう?湊?いやいや依里?
でも、どんどん覆されてゆくのだ。

いじめ、隠蔽、モンスターペアレント、虐待、ひとり親家庭・・・日本が抱える「怪物」

で、観終わって怪物の正体がわかった。
怪物は、この日本の社会が抱えるとてつもなく大きな怪物だった。
それは、いじめや隠蔽、モンスターペアレント問題、虐待、ひとり親家庭の問題などなど。
抱えきれないほどの怪物を、日本社会は作り出してしまったのである。
今後、この怪物と、どう向き合ってゆくのだろう。

これは、都市部だけで起きている問題ではない

舞台は田舎町である。都市部ではない。
それだけ、日本の社会に根付いてしまっている怪物。
怪物は日本の隅々を食いつぶしつつある。
田舎町でさえ例外ではないのだ。
そこに、絶望感さえ生まれてくる。

主人公の子ども2人は、一番純粋だった

この映画の主人公の2人の子ども。
映画を観終わると、怪物だと思われた2人が、実は一番純粋だったことに気づく。
ラストシーン。
嵐の中で、土砂に飲み込まれた車両から抜け出して、快晴の山間部の草むらを走る2人の姿があった。
真相は分からないが、ボクは彼らは死んで天国にいると感じた。
あの怪物の世界からの脱出を、二人は成功したのだと思う。

鑑賞後。
奥深い映画の余韻に浸っている自分に気づいた。

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