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2/28 生活


昨夜は週の序盤にもかかわらず、まさに疲労困憊といった具合で帰り道は数分に1回、大欠伸をかましながらズルズルと歩いた。それでもお腹は空いているし、何よりガッツリ食べたかった。思い浮かべたのは肉。そうだ肉を食べよう。フラフラとスーパーに寄って買ったのは味付きの牛ハラミ。こんなワイルドは買い物は初めて。真っ赤な牛ハラミがジュウジュウと音を立てて色を変えていく様を想像しながら帰った。
しかし、家に着いた頃には焼く気力もなく牛ハラミは冷凍庫行きとなり、インスタントラーメンと冷凍食品という限界な始末になった。
そんなこともあってろくな食事を取らなかった次の日。朝起きてtwitter(まだXとは呼びなれない…)を眺めていると、「自分の料理がまずいってわけではないんだけど、他人が作った美味しいものを食べたい」という内容のツイートを見かけた。わかる。すごくわかる。最近自炊という名の野菜を切って入れるだけの鍋を毎日食べていたため、味にも飽きていたし他人がつくった料理を欲していた。月一の何食べても満たされない期真っ只中でもあったので、朝から普通にお腹が空いている。他人が作ったものならとにかくなんでも良かったので、早めに準備をして駅前のドトールに向かうことにした。

モーニングセットで満たされた私は、これから仕事だとは思えないほど穏やかな時間を過ごした。
さっき信号待ちしていたら、歩道を自転車で滑走するおばあさんに理不尽に「退け!!」という意味の「ごめんなさい!!」を怒鳴られたばかりだったが、そんなこともどうでも良くなるくらい気持ちが良かった。
自分の機嫌取りが上手になったのか、他人のチクチクに対して鈍くなっていっているのかはわからないが、穏やかになってきているなと思う。その反面若さがどんどん消えていくような感覚にもなる。
朝のドトールは地域住民で溢れそのほとんどが高齢者。混んでいてもお構いなしにウトウトしている。生き急ぐ様子もない。しかしこれが穏やかさだというなら私が行き着く先も…。
何も気にならなくなり、今のように感情が燃えたぎることもなく、朝が来て夜が来るような毎日になるのかもしれない。そういう意味では、信号待ちしている人間に「ごめんなさい!!」と怒鳴るおばあさんは、感情の矛先は明らかに間違っているが、燃えたぎる感情の中で生きていると言ったらそうなのかもしれない。

自分もどっちかになるんだろうな、考えるだけで嫌になってくるけどとりあえず今は目先の出勤に対しての嫌悪感をなくすべく、本とコーヒーで自分時間に引き戻した。燃え殻さんの「夢に迷ってタクシーを呼んだ」を最近購入した。家には本たちが未読のまま積み上がっているのに、買った。そんなことばかりやっている。ネガティブと切なさとクスッと笑える面白さと。私が好きな要素が全て詰まっている燃え殻さんの文章がやっぱり心地良くて、気負わないドトールでのんびり過ごす朝にはぴったりだった。
行きたいところに行き、食べたいものを食べ、読みたいものを読むことで、なりたい自分になる。それが仕事の日だろうと休みの日だろうと、朝だろうと夜だろうと、雨だろうと雪だろうと関係ない。生活のテーマだから。ただこれが実現できるのも若さゆえなのでしょうか。今のうちでしょうか。隣のお爺さんにそう話しかけたい気持ちになって、横目に見ると飲みかけのコーヒーと読みかけの本を置いたまま、まだウトウトしていた。

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