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固定観念・先入観にありがとう?!(素敵なリーダーになりたい編_v4-39)

以前1回だけ行ったことのある、ちょっと遠いけど、落ち着いた、美味しかった洋食屋さんへランチに。オフィスで、今年初めて会う仲間に。ええ?!?!今年初めてだっけ?とのことで、とても良い天気だったし、GW中もあってビジネススローだし。だから遠出した。

で、メニュー見たらあれ?2200円のコースしかない。前菜、メインに、飲み物。メインに肉を選んだら追加で600円みたいな。あれれ、以前は普通に1000円ぐらいでパスタ食べた記憶が。そして、ボクの好きなアメリカのAORミュージックが流れていた記憶があったが、今日はBGMも無い。

スタッフ男性5人がすごくせわしなく、食器をガチャガチャ音たてながら作っている。これはちょっと不愉快。でも「すいません、やっぱりやめます」なんて言う勇気も無く、ま、いいか。。。

「記憶違いありますからね。」と仲間にさとされ。「うん、メニューが変わったのか、自分の記憶違いか。。。」。ま、久しぶりに2人会ったからいいか、と意味不明な理由で納得して。

「前から、ランチはこのコースメニューだけでしたっけ?」
「はい、そうですよー」
ま、「前」っていつのことだって話だけど、ボクの記憶違いのようだ。。。

しかし、ガチャガチャうるさいし、動きがせわしない。機敏なんだけど、なんか無駄に見える。「なんか、バタバタ、疲れるね」。「そうですね。学生時代、フードコートのラーメン屋でバイトしていたのですけど、ここはちょっとダメですね」。と2人でこそこそ。

で、”やっぱり”な感じですが、前菜の前に、メインが来た。けど「食器をガチャガチャ音たてながら作っている」状況から、非効率性・イマイチ感を感じていたので、特に不愉快もない。メインのパスタを先に食べ、次に前菜のサラダを食べた。そして、ホットコーヒーを頼んでいたのに、アイスコーヒーが。。。ま、別にイイかとアイスを頂く。

なんだか仲間(後輩)に悪く、今日は奢らせていただいた。で、帰りながら、「ダメと思ったら、次にダメに遭遇しても、不愉快にならないね」。「ですね。なんかバタバタ、ガチャガチャ下手でしたね。ま、でも、おいしかったです。ご馳走様でした」。

・記憶違いに気づき、期待を裏切られ、ショック。
・一方で、ダメだなの先入観・固定観念から、期待が低くなり、ダメを続けられても不愉快にならず。
「おいしく」ランチを楽しめた。そんな感じ。仮に次回訪れたら、このダメダメ先入観が助けてくれて、満足度はあがる可能性がありますね。

先入観って、時には役立つのね。

ふと思い出した。本を読んでいて、先入観・固定観念なるものは「悪」としか思っていなかった、その昔に、これらもありか、と思った学びが。アメリカ人はXXだ。中国人は△△だ。こんな思考、決めつけは絶対にしない。個別性を捉えたいし、そもそも、先入観、固定観念、ステレオタイプは、ビジネスでも、プライベートでも何も良いことは無い、間違いのもと、と思っていた。けど、そうでも無い場合もあるのか、との気づき。

「ステレオタイプ化に反対する社会規範は、~より公正で平等な社会を形成するうえできわめて好ましい。とはいえ、有効なステレオタイプまで無視すれば、必然的に最適でない判断を招くことになることは覚えておいてほしい。ステレオタイプ化に異議を唱えることは、倫理的に賞賛に値する。しかしそれが代償を伴わないと考えるのは単純すぎるし、まちがいでもある。よりよい社会を実現するために払うべき代償ではあるが、代償の存在すら否定し、心情的に満足し、ともかくも公正だからよしとするのは、学問的に擁護できる姿勢ではない。」(「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマン著、村井章子訳、早川書房)

ステレオタイプ、先入観、固定観念が、次の判断を助けてくれることもありえる、ということ。火の無いところに煙は無い。人間は、まずは、必ず、ステレオタイプ、先入観、固定観念が、先に脳みそが、何も考えずに、思い起こしててくれるのだ。遺伝子か、教育か、文化か、個々人の経験が、それらが相まって、そう人間に思わせるようにできているのだろう。効率的に生きられるように。

怖い顔をしているひとを見たら、怒っている、何かを起こそうとしているかも、逃げないと、そう思う。更にナイフなんて持っていたら、さっさと逃げないと。いやいやそれは固定観念よ。ナイフはたまたま宅急便のガムテープを切っていたのよ。顔はひとそれぞれだからね、あまり指摘しちゃダメよ、なんて思う方がどうだろう。

確かに、ステレオタイプ、先入観、固定観念に、歴史的に経験的に重大な意味があり、価値があるから、人間は自然にまず先にそう思うようにできているのだろう。

現代社会では、生活が複雑になり、倫理・道徳・社会規範なるものが大切なものとなった中で、これらは弊害となる。だから、一旦立ち止まる訓練が必要。怖い顔しているひと問題なら、逃げればよい。でも、ビジネスでの課題に対しては、固定観念を思うのはしょうがないと受け止め、その後、一歩立ち止まって、深く・広く、あえて異なる思考をして、他の選択肢を出していきたい。女性の方が仕事ができる、よし採用しよう、とか、売る数を増やしたいなら、価格を下げよう、なんて思い込みはありえない。

ひとなるものを知り、ステレオタイプ、先入観、固定観念は自然なことと認識する。そして、直感的にすぐに自然発生する考えが現れたことを感じ、そして、立ち止まり、異なる選択肢を思考する。リーダーの役割だ。そういう文化、コミュニケーション、思考・行動指針を定義し、社内に周知し、みなで訓練する。必要かなと。

「素敵なリーダー」: 人間とはこんなもの、をベースに、立ち止まるチカラを持つ。リーダーがこうであれば、部下は安心。まずは素直なステレオタイプ、先入観、固定観念を持ってしまう人間である自分にストレスを感じず、だんだんと、立ち止まり、異なる選択肢を幅広く出せる訓練を経て、チカラを付けていく。会社の仲間は当然だけど、みな人間なのだから。個性を大切にすることと、人間としての特性をベースに対応することは両立する。自分も仲間も縛られてしまう人間としての自然な姿(ステレオタイプ、先入観、固定観念を持ち、判断が導かれる)をベースに、思考・行動、コミュニケーションするのが素敵なリーダーですね。

こんな素敵なリーダーになりたいですね。


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