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過去に弟子入りした方々について思うこと

今までフォリア工房には、沢山の先輩がおり、色々な方が私の後輩として弟子入りしては去り、弟子入りしては去り......そして現在に至る。続かない理由は様々です。その都度、募集要項を改善させたりしながら、弟子募集は続けております。(師匠の弟子受け入れ歴は別の記事で纏めたいと思っております。)

今まで、色々な経歴の方が弟子入りしたいと、応募してきました。

美大を卒業している方とそうでない方...染を学んでいらした方や日本画...デザイン...建築...ファッション...映像系の方もいらっしゃいました。私自身は、女子美の工芸学科にて織を専攻していました。

フォリア工房では、基本的なカリキュラムを元に、その人にあった指導法を吟味し、丁寧に指導していきます。師匠の話をよく聞き、きちんと実践して...地道に修行していけば、経歴などは関係なく成長することが出来ます。

人を指導する際、“自負”をお持ちの方ですと、非常に厄介です。「私は○○を4年間大学(またはお教室)で学んだ事がある。《だから師匠や先輩なんてすぐに追い越せる。工芸の分野が長い人より絵が描ける。筆の使い方なんて習わなくても分かる》」などなど...

負けん気が強いというのは良い事です。その気持ちをエネルギーに変えて、修行にのめり込んで下されば、指導する側からすると大変都合が良い事でございます。

しかし、実際には彼らは現状把握が正確に出来ておりませんので、すぐに躓いてしまいます。

染めを学んでいたと言っても型染めと友禅・ろうけつ染めは違うものですし、日本画が描ける、またはデザインを学んでいた事と文様が描けるという事は全く別のお話です。美大卒の方ですと、筆の持ち方に変な癖がついている方も少なくないので矯正が必要となる事が多いです。かと言って、美大に行ってない方が有利である...という事でもありません。

そして、根本的な間違いは「学生とプロの”出来る”という感覚は全く違う」という点です。この事が分からずに「褒めて貰えない・認めて貰えない」という不満を抱える方は非常に多いです。

工房は、学校ではありません。

弟子入りする、師匠に習う...という事であれば、素直さが必要だと思います。「褒めて貰えない」という事は、「足りてない」という事です。「見ていない」わけではありません。きちんと本人が気がついていないところまで、師匠は見ていますし、見えています。全て把握されていると思っていても良いと思います。

自負は捨て、何も出来ない事を自覚し、謙虚に誠実に耳を傾ける姿勢をまずは取り入れてみたら良いのではないでしょうか。それがスタートラインに立つ事だと思います。

続き↓
師匠の弟子受け入れ経歴


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