見出し画像

【本108】『ただいま神様当番』

著者:青山美智子 出版社:宝島社文庫

通勤通学で使うとあるバス停。そこに、ぽつんと落とし物が置かれています。それは、まさに主人公たちが「欲しい」と思っていたもの。イヤホン、腕時計、折りたたみ傘、周りに誰もいないのを確認し手にとると....その人は「神様当番」になってしまいます。

ここで登場する神様はとてもおちゃめな神様。ジャージ姿で「願いを叶えて〜」といって、すり寄ってきます(笑)最初は警戒している主人公たちもだんだんと打ち解けていき、神様の願いを叶えるために奮闘を始めます。

でも、その願いとは「楽しませて」「リア充になりたい」等、主人公たちが心の奥で願っていたことばかり。神様の願いを考え行動を起こすことで、やがて自分たちの見える世界が変わっていきます。

人は、他人の持っている物や、かっこよさ、社交性といったものに憧れと妬みを抱き「欲しい」と思うもの。でも、「手にいれる」ってどういうことなんだろう。神様は言います。

「あこがれて真似して学んで、自分を生きながら自分だけのものにしていくんじゃ。」

「自分のもの」にするには、自分を変えなくてはいけません。行動を変え、考え方を変え、見える世界を変え、その過程の中で力をつけ、自分だけのものにしていく。大変なことだけど、それを繰り返しながら人は成長していくんだなーと思います。私もそんな気づきをくれるおちゃめな神様に会いたい〜。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?