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私論「二足のわらじ」

「FOZZY」(フォジー)をご存知ですか?

AEWに所属するプロレスラー、クリス・ジェリコがヴォーカルを務めるロックバンドです。彼の入場テーマ曲「Judas」が有名です。

ジェリコは学生のときに「プロレスラーになるか、それともロックバンドをやるか」でかなり悩んだそうです。結局レスラーの道を選びましたがこうして曲も出している。つまり夢をふたつとも叶えたわけです。

「二兎を追う者は一兎をも得ず」という諺があります。私の父はこれの信奉者でした。ゆえに中学受験の際も「滑り止め」はタブー。本命をひとつだけ受け、落ちたら公立へ行けと。

受験の準備は小学校3年生から始まりました。放課後は遊びたいのに塾へ行き、帰宅後も寝るまで復習。遠足や運動会の日も体力を残しておかないといけないから楽しみに没頭できない。

本当に嫌でした。でも落ちて公立へ行くのはもっと嫌だった。苦しんだ数年間をムダにしたくない。周りに「アイツ落ちたんだ」と囁かれるのも許せない。だから私は「もう一校受けたい」と訴えました。父は当初渋い顔をしましたが、模試の成績が芳しくなかったこともあって最終的に認めてくれました。

本命の日はガチガチに緊張したうえに大雪で開始が5時間遅れ、まったく集中できず。落ちたと確信しました。「もう後がない」とプレッシャーに襲われる局面です。翌日は何も考えずに会場へ行き、リラックスして試験に臨みました。ある種の開き直り。

結果は両方合格。初日はまぐれでしょう。でも一度経験して場の空気に慣れ、開き直ったことで次は普段以上の力を出せた。もし二日目の学校しか受けなかったら、きっと公立へ通っていたはず。

おかげで「『二兎を追う者は~』なんて嘘だな」「目標は二兎を追うぐらいがちょうどいい」と学びました。

結局俺が何を言いたいかっていうと「二足のわらじってよく叩かれるけど、そもそもわらじは両足に履くものでしょ?」ってこと! 

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