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これが私の中の「ベストバウト」~2月21日武藤敬司引退試合の煽りコラム~

時は来た。

本日、天才プロレスラー・武藤敬司選手の引退試合が東京ドームでおこなわれます。↓を見るだけですでに涙腺が。

子どもの頃から応援してきたので、いろいろ思い出します。今回は自分の中の「武藤敬司ベストバウト」について考えてみました。

世間では高田延彦戦(95年10月・東京ドーム)がベストといわれています。新日本プロレスとUWFインターナショナル、ふたつの団体の王者同士がシングルでぶつかった一戦。勝敗への関心は過去最大級でした。翌年1月の再戦も含め、きらびやかな華を纏った武藤選手の何気ない強さにゾクゾクした記憶があります。

同期の蝶野正洋選手と闘った第1回G1クライマックス決勝も印象深い(91年8月・両国国技館)。20代のふたりが大会場のメインを締めるなんて、いまの新日本では考えられない。武藤選手は自らを輝かせるだけではなく、対戦相手を光らせる腕も一流でした。

しかしいずれもTV観戦。どうせなら生で見たものから選びたい。すぐに答えが出ました。2001年4月に全日本プロレス・日本武道館大会でおこなわれた川田利明選手との試合です。

新日本プロレスの「闘魂三銃士」と全日本プロレスの「四天王」が初めてシングルで当たった一戦。当時の私は全日派ゆえ気持ち的には川田選手寄り。しかし途中から武藤選手の虜になっていました。重厚な佇まい、目を惹くパフォーマンス、とっさの機転、勝利へ向けた合理的且つ斬新な組み立て。いつにも増して別次元でした。

You Tubeにも「全日本プロレスTV」にも、なぜかこの一戦はありません(他の武藤 vs 川田戦は割と見られる)。あの日に日本武道館へ来た人だけの思い出。だからこそ忘れ難いのかもしれない。

膝を壊すリスクの高いムーンサルトプレスを使わなくても完璧だったこの試合を、私は武藤敬司の「最高傑作」に推します。どうか無事にリングを降りられますように。

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