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2022年の本、僕のベスト約10冊

素粒子 ミシェル・ウエルベック
ヒロシマの人々の物語 ジョルジュ・バタイユ
アウステルリッツ ゼーバルト
巨匠とマルガリータ ブルガーコフ
To the lighthouse woolf
細雪 谷崎潤一郎
まなざしの地獄 見田宗介
四季四部作 アリ・スミス
野火 大岡昇平
ある女 アニー・エルノー
The years アニー・エルノー
密会 安部公房
Watermark Brodsky 
Memoirs of Hadrian Yourcenar
番外編
須賀敦子全集一巻〜(現在三巻)
2022年に読んだ本、心に残った約10冊

やはり、いちばん影響を受けたのはバタイユだろうか。
エロティシズムはもはや僕のバイブル的な存在であり、太陽肛門は落ち込んだときのおまじない的にすらなっていて、読むととにかく元気になれる。また、凄みのあるヒロシマの人々は色々なひとに読んで欲しい。

寄り添うという意味では、昨年9月17日から始めた、一日一篇須賀敦子。
須賀敦子全集、全8巻+別巻を一日一篇ずつ丁寧に読む日課──須賀敦子さんは、ご近所のおばあちゃまというか、おこがましいけれど、僕のいちばんの友人になってくれている。

須賀敦子さんを通して、ユルスナールを東方綺譚しか読んだことのなかった僕は、ハドリアヌス帝の回想英語版を読んだり、全く知らなかった詩人ブロツキーのエッセイ、Watermarkを読んだりした。
この2冊を読んだのは単身赴任先の蘇州でだったのもあり、忘れられない2冊となった。

また、まなざしの地獄で涙を滲ませたり、見田宗介さんの他著作物も読みたい。

昨年の2月末からもうすぐ一年。

紛争、戦争のみならず、貧困など困窮状態の子どもたちが少しでも温かな環境で健やかに成長できることを祈ってやまない。

Let me reiterate: Water equals time and provides beauty with its double. Part water, we serve beauty in the same fashion. By rubbing water, this city improves time’s looks, beautifies the future. That’s what the role of this city in the universe is. Because the city is static while we are moving. The tear is proof of that. Because we go and beauty stays. Because we are headed for the future, while beauty is the eternal present. The tear is an attempt to remain, to stay behind, to merge with the city. But that’s against the rules. The tear is a throwback, a tribute of the future to the past. Or else it is the result of subtracting the greater from the lesser: beauty from man. The same goes for love, because one’s love, too, is greater than oneself. 
意訳
もう一度言わせて欲しい。水は時間に等しく、その倍で美を提供する。水を分けて、同じように美を提供する。水を擦ることで、この街は時間の全体像を良くし、未来を美しくする。それが、この都市の宇宙における役割なのだ。私たちが動いている間、この街は静止しているのだから。涙がその証拠。私たちが行くからこそ、美は留まる。私たちは未来に向かうが、美は永遠の現在だからだ。涙は、留まろうとするものであり、残留しようとするものでもあり、都市と融合しようとするもの。しかし、それはルール違反だろう。涙は未来から過去へのトリビュートであり、懐かしく振り返ることである。さもなくば、それはとりとめのないものから偉大なもの、つまり人間から美を引き算した結果だ。愛もまた同様である。人の愛もまた、何よりも偉大だから。
『Watermark: An Essay on Venice (Penguin Modern Classics)』Joseph Brodsky

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