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図書館をもう一度考える

まだ肌寒さも残るヨーロッパの五月。それでも、ここオランダのアムステルダムでは大人もこどもも元気に自転車でまちの風を切って駆け巡る。水辺のキラキラがまちの様相や人の前向きパワーを明るくするからか、すぐに気温なんて忘れてしまう。「気温」。気持ちの温度。肌が感じる暖かさなんて本当は数字で測れないものなんじゃないかと思う。

旅人の3時間。

何度も訪れているアムステルダムでも、まだ行ったことなかったのがOBA(Open Bibiliotheek Amsterdam)。次の乗継便までのちょっとした隙間時間を使って覗いてみた。今年100周年を迎えるこの公共の図書館は、名前に「オープン」と込められているだけあって、誰にでも開かれているまちの文化施設というのが私の印象。時間を持て余している優柔不断な旅行者でもふらっと入れて本を手に取ることができるから嬉しい。本棚と本棚の間の至る所に椅子やソファーや机があり、各々が自由に考えたり書いたりしている。さらに、カフェやフードコート、ミュージアムもあって、図書館という看板には収まりきれない楽しさと親しみやすさがあって、そこに居る人達の気持ちがその場所の熱量を動かす。

今日のこの日も金曜日。バンドが来ていてジャズを演奏していた。日本の図書館で音を出すなんて考えられないけれど、ここでは受け入れられている。屋上のテラスつきフードコートでは地元のビールが置いてあるし、図書館だから勉強するところだからまじめに静かなふるまいを強要させられることはないから、よそ者の私にとっても、読める本が沢山なくても、一瞬で馴染める空気がある。本を読みにいかない図書館。熱くなれる場所。図書館ってこういう場所であるべきだなぁ。ライブラリーのLibは自由【リバティー】のLibと重なる。自由に自分探しの旅に連れて行ってくれるパワー・ステーション。旅の1日目に、早速いいものもらった!


カフェの隣接するアトリウムからはジャズバンドの生演奏が聴こえる!まちの音と本の声とが交差するこの空間は旅人でもすぐに溶け込ませてくれるから嬉しい。地元のクラフトビール片手にこうやってしっとり過ごす金曜日は心からリラックスできる。

このノートは、ここマンチェスターのカフェ Trove で書きました。

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