子供の苦手さを知るために
「何でこんなことができないのか」
「どうしてこんなことになってしまうのか」
「どうしてやる気がないのか」
支援が必要な子供たちにこのような気持ちを感じたことはありませんか?
正直な話、私も日々子供たちの言動を見ていて、理解できないことはたくさんあります。
(というか、ほとんど分かりません)
それもそうですよね。
自分の感情や性格、特性のなかで、パニックになったり、指先が上手く動かなかったりした経験がほとんどないので、同じように感じることは難しいです。
ただ、少しでも、子供たちの苦手さを体験することができれば、そのときの対応や言葉かけなど、もう少し改善できるのではないかなと考えています。
【『字を書くのが苦手な子』の体験】
①2センチ四方のマスを書きます。
②そこに、お手本を見ながら『薔薇』という字を利き手ではない方の手で書きます。
③『薔薇』という字を、3回、30秒以内で書き終えるようにしてください。
これが、字を書くことが苦手で、いつも「丁寧に書きなさい」と注意されている子供たちと近い状況です。
おそらく、大人でも『止め、はね、はらい』を意識したバランスの良い字を書くのが難しいのではないかと思います。
ここで思い出してみてください。
普段、このような字を書いている子にどんな言葉をかけていますか?
「もっと丁寧に書きなさい」
「いつまで書いているの?もっと早く書きなさい」
「なんて書いてあるか分からないから、もう一度」
「なんで、字がこんなに汚いんだろうね」
「バランスよく書いてね」
など、言ったことがある方も少なくないと思います。
ただ、利き手ではない手で書いたその字に、そのような言葉をかけられたらどう思うでしょうか。
おそらく、字を書くのが嫌になりますよね。
小さいうちから、ずっとそのような言葉をかけられ続けていたら、やる気もなくなって当然ですよね。
ここで、適切な支援を行わないとどうなるか、実際に体験してみると、その大切さに改めて気がつくと思います。
ここで、考えられる支援としては、
◎マスを大きくする。
◎回数は、一回にする。
◎バランスの感覚を掴むために、赤ペンで下書きをして、なぞらせる。
◎時間制限は設けない
◎できたら、しっかりと評価する
これをするだけで、初めて見た難しい漢字も、安心して書くことができるようになります。
実際に、この条件で書けば、ある程度綺麗になぞれると思います。
どうですか?
子供の苦手さを知ると、支援の大切さがより理解できると思います。
苦手さは、子供たち一人一人異なります。
完璧に理解することは難しくても、
「こんな感じで思っているのかな?」
と、寄り添うことで、適切な支援につながります。
もしお時間がありましたら、体験してみてください。
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