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場面緘黙(選択性緘黙)

これまで私は何人かの場面緘黙(選択性緘黙)の子供たちに関わることがありました。
そこで、気をつけていたことや対応についてお話ししていきます。

【場面緘黙(選択性緘黙)とは、、】
家や特定の人の前では普通に話をすることができるのに、学校などに行ったら話すことができない状態のことです。(話す能力はあります)
これは、ある一つの症状で、恥ずかしいから話さないとは異なります。


【場面緘黙の子供たちの学校での様子】
・先生や友達から話しかけられても、黙っている。
・少しコミュニケーションが取れる場合は、頷きや首を振るなどして、意思疎通をすることができる。
・特定の友達には話すことができる。もし、緘黙の子供たちと話をしたければ、特定の話ができる友達を経由して話をすることができる。
・表情は変わらなくても、楽しんでいる場合も多い。(保護者の方に聞くと、家では楽しそうに学校の話をしているみたいです)

このような対応をしてすごしているので、緘黙に関する知識をもっていないと次のような間違われた対応をされることも多いです。

【間違えだと思う対応】
・恥ずかしがり屋だと思われて、場を積めば言えるようになると思われる。
・みんなの前で励まされる。
・「答えるまで、授業が終わらない」と圧をかけられる。

実際に私もこのような事例を見たことがあります。ですから、まだ緘黙に関して理解をしていない方が多いと思います。

そもそも、無理をしたり、成功体験をしたりすれば改善するものではないと考えています。
あまり詳しくないですが、脳の奥にある扁桃体が危険察知して起こる反応らしく、先生や友達が何かをして治るものではないと思っています。

家では問題なく話しているため、学校では緘黙だということに、気付かない保護者の方も多いと思います。
先生に指摘されて初めて気づいたと反応する保護者の方も多かったです。


では、実際に学校ではどうしたらいいのか。先生と面談するときには、次の点についてフォローしてもらうとよいかと思います。

【フォローしてもらう視点】
・質問は、「はい」か「いいえ」のような、首を振るだけで答えられる内容にしてもらうこと。
・子供が話をしなくても、自然な雰囲気をつくってもらうこと。
・話さないからと、順番を飛ばしたり、質問をしなかったりしないようにしてもらうこと。
→頷きで答えられるような内容の質問にしてもらうなど
・緘黙の子供たちも偶然声が出たり、発言できたりすることがあります。(私も急でびっくりしたこともありますが)その時に、「話せたね!」「できるじゃん」など、注目させないようにしてもらうこと。あくまで、自然体で次に行くことがよいかと思います。
→先生は褒めたくなってしまいますので、お話ししておいた方がいいかもしれませんね。


緘黙の子供たちが返事を返さなくて、独り言みたいになってしまうかもしれませんが、あくまで自然体に接することがいいと思います。
そして、対面ではなくて、横から何気なく話しかけるぐらいの感覚の方が、緘黙の子供たちにとって居心地がいいかもしれませんね。

参考になったら嬉しいです。

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