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【ロッテ】オリックスから学ぶ、パリーグでの戦いかた。

ご無沙汰しております。どうも、ふじです。

約1カ月遅れですが、阪神タイガース関係者の皆様、38年ぶりの日本一おめでとうございます。
並びに、オリックス陣営も大健闘でした。
いやぁー、他ファンですがしびれる展開が多かったです。
来年こそは、我がチームにもあの場所にいて欲しいですねぇ~。

というのはさておいて、日本一になるためにはCSを勝ち進まなければならないわけですが、両リーグのCS計25回で2・3位チームが通過する確率はわずか24%ほど。
絶対に無理なわけではないですが、分の悪い話ではあります。

となれば狙うのは、まずはリーグ優勝

というわけで今回は、パリーグ3連覇を成し遂げたオリックスの今シーズンを振り返ることで、パリーグを戦う上で我々に足りないものを紐解いていこうと思います。


1.今季のオリックス

(1)打順運用

まずは打線運用ですが、2021年は130通り、2022年は141通り、2023年は135通り「日替わり打線」でチームを運営してきました。
これに追随し、我らがマリーンズも「日替わり打線」を組んできました。(今季のマリーンズは142通り。)
勿論、この戦法はメリットデメリットの両面が存在します。

メリット
・シーズンを戦う上での疲労軽減
・控え選手のモチベーション維持

デメリット
・選手それぞれの役割が多様になる
・1軍レベルの選手を多く必要とする

といったように、日替わりで打線を組み替えることがメリットだけでないのは、セ・リーグ優勝の阪神を見れば明白です。
固定することしないことのそれぞれに利点があるでしょう。

~固定したい場所~

前述の通り、オリックスは日替わり打線でシーズンを完走しましたが、そんなオリックスにもある程度形を固定していた場所があります。
それは、クリーンナップです。

今季の打順運用では、3-4-5番には紅林セデーニョを除いて2桁本塁打を放っている打者が座っているケースが見られました。(まぁ、当然と言えば当然ですが、)
つまるところ、3‐4‐5番には長打力のある打者を置いていたことの裏付けとなります。
「つなぎの4番」を否定する形です。

ただ、それ以上に注視したいのが3番打者
3番には、中川紅林ある程度の走力を持つ打者を配置していました。
1、2番打者が出塁した際に、最悪のケースである併殺を防ぐためという目的があります。

ここまでのクリーンナップ配置論は以下の通り⇩

※オリックス内でも、3番に多く座った打者はある程度の走力を持っている。

マスコミなどの「日替わり打線」という言葉が先行していましたが、実際のところは中核に求めている能力は上記表のように一定です。
あくまでも「該当打順を打てる選手が多いため毎日替えても何ら問題ない」というだけの話でした。

対してマリーンズの「日替わり打線」は、3番に安田山口を配置したり、4番に茶谷を配置したりと、上記の定義を逸脱するものが多く見られました。

この定義がすべてというわけではありませんが、オリックスとマリーンズの違いの1つは「該当打順を打てる”タレント”の数」というわけです。
つまりは層が薄いということ…

(2)成績から見る、今季のオリックスの強み

①負けない投手陣

投手成績の中で、特に著しい数字となっているのは先発投手のカテゴリーでしょう。

勿論防御率も凄まじいのですが、何よりもHQS率に目がいきます。
これは確率上の話ですが、3連戦を行えばどこかでHQSを達成し、加えてHQSを達成した試合のうち90%程度の確率勝利していました。

あくまでも確率論ですが、年間の長いシーズンで見ても3連戦のスイープがほぼない借金が増えづらいというわけです。
そりぁ、シーズン独走しますよ。

これこそが、今季のオリックスの最大の強みだと思われます。
野球は先発投手というのを具現化して見せてくれました。
(というか、昨季と水準が変わらないのは強すぎませんかね?)

②若手選手の躍進

昨季までは、どうしてもチームとして吉田正尚に頼り切りな部分も多く、チームとしても吉田正尚の次の主軸候補を育成することが至上命題とされていたのは周知の事実。

そして迎えた昨オフは、頼みの綱の正尚がボストン・レッドソックスへポスティングで移籍、これにより大幅な戦力ダウンが見込まれたはずでした。

しかし、ポスティングの譲渡金などもあって西武よりFAとなった森友哉を獲得。
吉田正尚ほどではないものの、球界屈指の打力を持つうえ、捕手としても出場できる選手を獲得できたことは、終わってみれば名補強だったと言えます。

ただ、それ以上に今季の打撃成績向上の要因には若手の躍進があったように思えます。

上記は、規定打席に到達した中で好成績を収めた選手の成績。

2選手とも昨季までは逆方向への打球に課題を持っていましたが、今季はその点を改善することに成功し、結果として打率等の各指標を大幅に向上させています。

どちらもそこまで守備で貢献することが出来るタイプではないだけに、ここまで打撃で貢献できるのは頼もしい限りです。

これも強いチームを作るための方法としては周知の事実ですが、若手コアでの戦力の底上げは必要不可欠でしょう。

以上をまとめると、

~優勝に近づく3か条~
①打者陣のタレントを増やす
②先発王国を築く
③若手の育成

といったところでしょうか。
こんなの1年で達成するのは無理ですよ、、、

2.マリーンズとの対比

ここまでオリックスのことをすごいと言い続けていましたが、本題は「マリーンズはどうしたら優勝できるのか」ということであるのは忘れてはなりません。(もうオリックスを褒めるだけでいいと思っていたのは秘密。)

では、先ほど自己流で見出した3か条はどの程度満たせているのでしょうか。
1つずつクローズアップしていきます。

(1)少ないタレント陣

見出しから不穏な感じがしていますが、ここで忖度しても意味がないのでぐっとこらえます。
とりあえ、数字から見ていくこととしましょう。

今季の打順別スタメン数は以下の通り(一部抜粋)⇩

赤字は最多出場。

加えて、各打順ごとの最多出場選手の成績は以下の通り⇩

赤字は最も秀でた成績。

オリックスの成績を見た後だと、よりグロさが増します。
これはまずいです。

今季、規定打席に到達した中で.250以上の成績を残した選手はなんと0人
こりゃぁ、優勝逃しますわ、、、

といったように、野手陣のタレントがほとんどいないことを示す数字となってしまいました。

平沢・安田山口藤原などの主力候補がいるものの、なかなか芽が出きっていないことが原因していることは明白です。
できることならFAで主力を確保できれば良いのですが、可能性は希薄なので来季以降も若手がタレントになることを待つのみでしょう。

(2)若干、崩壊気味の先発陣

ここまでチームを嘲笑うかのような見出しが多くなっていますが、まだまだ続きます。(辛い)

今季の先発ローテは開幕前までオリックスと互角と言われていました。(多分…)
それが、キャンプが始まる段階で崩れ始めます。
そう、二木石川の離脱によって…

もちろん、彼らは本意で怪我をしたわけではないというのはわかります。わかっているんですが…
それでも、こんな事態は想定外でした。

この上で、今季多く登板した先発投手の成績は以下の通り⇩

※今季5先発以上の投手のみ。
赤字は最も秀でた数字。

この中で、安定した先発(QS率参照)と言えるのは小島佐々木西野とぎりぎり種市ぐらいでしょうか。
開幕前の話はどこへやら…

というように、思っているよりも先発陣が深刻な状況であることがわかるでしょう。

もちろん、菊地中森などの若手有望株や、二木石川河村などの復帰組も控えていますがあまりにも未知数すぎます。
出来れば、稼働可能な実績のある投手がもう1人ぐらいほしいところです。
若手が定着すればこの問題は解決するでしょうが、来季に限っては不安要素として残り続けることが想定できます。

(3)伸び悩む若手たち

ロッテのイメージを伺うと、「応援」だとか「雰囲気」を挙げる方も多いですが、「くじ」の印象が強い人も多く見かけます。

以下はここ10年のドラフト1位指名選手の一覧⇩

井口前監督の功績がすごいです。ほんと、
くじ引きだけでも代行してくれませんかね(笑)

無駄話はこの辺にしておいて、この中で高卒選手平沢安田藤原佐々木松川の5人。
今回は、松川には申し訳ないですが高卒野手陣の今季の成績を見てみましょう。

結果だけ見れば、安田が今季の高卒ドラ1野手最高成績となりました。

とはいえ、ドラフト1位で獲得した選手たちがこのような成績だと、やはりチームとしては強くなり切れません。

そんな、この4人に共通しているのは三振率の高さです。(松川に関してはサンプルが少なすぎるので、ここからは除外。)
ここからはそれぞれの課題を列挙していきます。

まず、平沢の課題はストライクゾーン内の空振り率
優秀な打者のほとんどが5%付近に位置するのに対して、平沢は約15%と1割ほど離されています。
つまり、それだけコンタクト力に課題があるということです。

続いて、安田の課題は逆方向への打球です
セカンドゴロのイメージも強いですが、以外にも引っ張り方向への打球は半分近くが安打となっているのに対し、センターから逆方向への打球は全打球の80%ほどを占めていますが、安打の確率は約18%ほど。
それだけ、逆方向に力のない打球が飛んでいるということになるでしょう。
今季、対左の成績が悪いのも納得です。(外スラ連投すればいいから。)

最後に、藤原の課題はゾーン管理にあります。
優秀な打者であればボール球スイング率22%程度に収まるものの、藤原は30%強にまで昇っています。
もちろん同じような数字の優秀な打者が山ほどいるのは事実ですが、そのほとんどが2桁本塁打を放っている打者であるのもまた事実。
藤原の目指す打者タイプから考えれば見過ごすことのできない数字となるのは間違いないでしょう。

3.あとがき

というように、今回はパリーグ3連覇を成し遂げたオリックスとマリーンズを比較してみました。

正直な話、来季優勝を狙えるかといえば「厳しい」の一言に尽きるように思えます。

ただそれはあくまでも現状の話であって、ここで挙げた選手たちが一定以上の活躍をすることができれば、また違う展開を呼び込むことができるでしょう。

下記の目標がすべてクリアできれば、「優勝」の2文字は近づいてくるに違いありません。
まだまだ、我が軍の鍛錬は続きそうです。

~優勝に近づく3か条~
①打者陣のタレントを増やす
②先発王国を築く
③若手の育成

というわけで、今回はここまで。
それではまた次回、さいなら~

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