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「ハブーブ」の正体とは…バーチャルから広がる珍獣の世界/週半分ホームスクーリング②

珍獣・兄は飛行機に興味を持ち、3Dアイロンビーズでこれを作りまくっている。

我が家には、これといった教育方針はない。
強いて言うなら、「子どもらの【好き】の芽を大事にしよう」…というのが、ほぼ唯一かつ夫婦共通の方針だ。
そこで今週末、本物の飛行機に乗ってみることにした。
わたし自身は旅好きで、独身時代は国内をプラプラしていたけれど
珍獣ズの爆誕以来、オルタナティブスクール探しを除いて旅行はご無沙汰だ。

行き先は【福岡】。

理由は「航空券が安かった」から。ドーン
「飛行機に乗ること」が目的なので、福岡に特に目当ての何かがあるわけではない。ドーン

そこで、福岡滞在中に何をするか、今日はプータロー小学生・珍獣と軽く計画を立ててみることにした。

まずわたしのパソコンを開き、インターネットで日本地図を出してみる。
すると、「ロシアはどこ?」と珍獣。地図を拡大し、福岡でなくロシアを探し始めた。オイ

「ろ…」

カタカナを全部覚えていないので、苦戦しつつ、わたしの助けも借りてロシアを発見。
ほかの国名も、間違えながらも一文字ずつ読み上げていった。

「でかい」
「アイスランド?冷たいの?」
「日本ってなんでこんなに小さいの?」

でかいよね。
うん、めっちゃ寒いと思うよ。
何でって…何でだろうね?わかんない。

本当は、珍獣の問い1つひとつを、もっと掘り下げながら一緒に考えたいけれど
さすがにそんな時間も気力もない。( ゚д゚)
「いつかどこかで、何かとつながるかも」という淡い期待のもと、一応メモ書きしておいた。

次に珍獣は、慣れた手付きで画面に触れ、地球儀状の世界地図を画面に表示。
そして真っ暗な南米を指し、「見て、裏側の国は夜なんだよ」と教えてくれた。

…そんなことできるようになってたんかい…( ゚д゚)
学校で、ごく当たり前にタブレット端末使ってるんだもんなあ…。

カルチャーショックを受け、たじろぐわたしの横で、今度は珍獣が叫んだ。

「なんだこれ!」

画面には、灰色の巨大な雲の塊が、地上を覆い尽くす寸前の光景が映し出されている。
アフリカのどこかの国のようだ。

え!?何これ!??
雲?なにかの自然災害??
ごめん、全然わかんないや…。

見たことがなく、自分の狭小な知見からはこれが何なのか見当も付かない。
ヒントを探すと、画像の下部に記された英文中に、「haboob」という単語を見つけた。
「ハブーブ」で検索したところ、その正体はすぐに判明。
雲ではなく、アメリカやアフリカの乾燥地帯で発生する、巨大な「砂嵐」だった。

衝撃の正体に驚愕し、同時に日本にハブーブが発生しないことを知って安堵する珍獣。
「(そこにいる人は)みんな死んじゃうんじゃない?」と心配していたが、更にいくつかの記事を読んでみると、現地の人たちはハブーブを、もちろん脅威ではありながら日常的な気候現象の1つとして受け入れているらしい…ことも分かった。

インターネットの本格普及前に初等教育を終えたわたしは、どうしても
電子機器を学習ツールのメインとして据える国の方針を、受け入れがたい部分が今もあるのだけれど
これのおかげで、家にいながら珍獣の世界が広がっていっているのは間違いない。
そんなことを実感する、今日の昼下がりだった。

でも、バーチャルで自分の視野を広げ、文字面にとどまらない知識を蓄積することに意義はありながら
実際に自分の目で見て、五感で感じ取るような手触りを伴う体験も、やっぱり両輪で大切だと思う。
それがあってこそ、知識が自分の腑に落ち、本当の意味でそのひとの世界を広げるのではないだろうか。

そんな思いもあるから、週末、私たちはわざわざ飛行機に乗るんだ。

……あれ。結局福岡で何するか、何も考えてないぞ。


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