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【読書】美しいこと/赤木明登

この本は塗師(ぬし)である赤木明登(あかぎあきと)さんが木工職人や陶芸家に美術家、ガラス作家、ギャラリー運営している人などと対談とか会話、手紙をやりとりした内容をまとめたものだ。それぞれの世界の"美しいこと"にスポットが当てられている。

"美しい"

普段、美しさについてあまり考えることがないという人は多いと思う。もちろん自分も考えることは少ない。それでも、もともと美術だとか芸術には興味があるので多少は考えたこともあった。答え合わせとは言わないけど、だれかの美しいという感覚を知りたくて、この本を手に取った。

綺麗とか可愛いはなんとなく感覚でわかる気がする。たとえば、まっさらで真っ白なシャツがあったとしたら、それを綺麗だとは思うけど美しいとは表現することはないだろう。キティちゃんを見て、可愛いと言っても美しいという人はほとんどいないと思う。

美しいは、見た目だけではない。もちろん1枚の夕日の写真で美しいと思うこともあるかもしれないが、写真だと綺麗が先に出てくるような。写真ではなく、実際に焼けるような夕日を目にしたときに、その場の空気やその日の出来事、記憶やそのときの感情によって"美しい"と感じるのかなぁと思ったり。ほかにも美しさについては言えると思うけれど、本の感想がメインなのでここまでにしておく。

オーダーメイドの靴を作る職人さん。今は、機械で作られた靴が世の中に無数存在する。人それぞれで実際は足の形は異なるけれど、大体の〜センチというものから選ぶ。オーダーメイドなら、その人にあったものを作ることができる。例え、足の形が左右違ったとしても。そういえば、お店で並ぶ既製品は綺麗だけど、美しいと思ったことはない。

その人の中のこだわりとか想いが感じられるものに触れたとき、美しいと思うのかもしれない。これから先の人生で、どれだけ美しいものに出会えるだろうか。

登場する人たちすべて、紹介したいくらいになんだか素敵な人ばかりの本だった。この本をきっと気にいるだろうなと思う友人がいるので、今度プレゼントしようかと思っている。



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