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合気道の構成について

この度は目に留めて頂き、
ありがとうございます。

合気道を構成する3つの要素について解説させて頂きます。

1.「捌く」攻撃を往なし、合気道へ移行
2.「崩す」相手の無力化、合気道の要
3.「投げる」相手の制圧、仕留め

合気道の技の要素は上記の順番で移行して
いきます。

1.「捌く」
 まず、最初の捌くですが、ここは合気道の入口となります。後の「崩す」と「投げる」に繋げ、攻撃から身を護る段階です。道場の稽古では正面打ちや突きから始まる場合で、(手を持ってから行う技は別)稽古に馴れると緊張感が薄れますが、合気道を護身のために用いる場合、とても重要な要素です。何故なら合気道に入る前に致命傷を負ったり、そのまま相手にやられてしまい、捌きが疎かだと合気道を護身術として活用できないからです。
 捌くの部分を鍛えるには体術の練習のみならず、洞察力や予測、一瞬の判断や反射神経等、瞬時に状況を把握し対応する力を養わなければなりません。普段の生活から護身を意識し、あらゆる場面を想定しておく準備が必要です。「その場の状況をどれだけ速く把握するか、どれだけ多く利用できるか、どれだけ使える引き出しがあるか」といった合気道的護身の思考を心掛けましょう。特に状況の予測と初動の見極めは肝心です。「崩す」と
「投げる」がどんなに上手くてもその前にやられてしまっては宝の持ち腐れとなってしまうので、技の練習と護身の思考の双方を伸ばしましょう。

2.「崩す」
 合気道の本質であり、目的となる最も重要な要素です。相手を崩すことさえできれば、立ち直るまで抵抗できず、その間ならどんな攻撃でも相手を倒せるからです。狙い通りに相手を崩せるならそれはもう達人と言えるかもしれません。
 「崩す」というのは(相手の)姿勢を崩すことです。自分の姿勢(古武術的動作等)を正しくしようとする人は多いのですが、相手の姿勢まで気を配っている人は殆どおりません。筆者は合気道を「自分と相手の姿勢のコントロール」だと考えております。何故なら自分の姿勢がどんなに良くても、相手の姿勢もそれ以上に良かった場合、通用しないからです。頑張り合いとなって膠着するか、下手をすると返される危険性さえあるので、合気道本来の威力を出すには自分と相手双方の姿勢を認識しなければなりません。
 そうは言っても、技の最中にそこまで気を配るのは至難の技です。これからどう動くかに加え、自分の姿勢まで意識しようとすれば、それだけで精一杯となりがちです。合気道に慣れていない頃や、馴染みのない技である程大変ですが、自動的に体から動く位、技の動作が身体に浸み込んでなければ、相手の姿勢まで気にすることは難しいです。相当な練習量と慣れが必要ですが到達した場合、状況を支配出来るようになるでしょう。
 こんな感覚があると認識するだけで大変ですが、崩しの意識が無い稽古では弊害が多いのも事実です。相手の姿勢が崩れていないのに自分の姿勢だけで強引に技を掛けた場合、相手(受け)の体を傷めるだけでなく、予定調和や忖度の稽古となり、技本来の威力は身に付かないでしょう。
 大事なことなので振り返りますが、合気道とは「自分と相手の姿勢のコントロール」であり、「崩す」概念は身に付ける値打ちのある有効な意識です。筆者自身もまだ片鱗を垣間見ただけなので、実現に向け鋭意稽古に励んでおります。

3.「投げる」
 捌きと崩しによって作り出した、自分が反撃する段階となります。技=投げるというイメージになりがちですが、これ以前の「捌く」と「崩す」の段階で既に勝負はついております。前出の通り、相手の姿勢が崩れている間なら何をやっても効くので、押しただけでも相手はバランスを失い、倒すことができます。つまりわざわざ「投げる」までもなく適当な打撃や押しただけで制圧できるのです。
 「捌く」と「崩す」の結果の段階なので「投げる」の優先順位はそれより低くなります。比率で表すなら「捌く」4:「崩す」5:「投げる」1といった割合になるのでしょうが、「捌く」、「崩す」、「投げる」の内2つ以上の要素を同時にできる場合、価値は対等に近くなります。例えば1つの動作で「崩す」、「投げる」を含んでいる場合等です。
 投げることは目立ち、そのために技があるような気がしますが、実は「投げる」が効果を発揮するのは「捌く」と「崩す」が身に付いてからとなります。

以上が合気道を構成する要素とその流れになります。

今後合気道を基にした記事を展開していく
予定です。

・護身術に学ぶ表裏一体の洞察力

・ストレスを往なす合気道メンタル

・リハビリと治療に使える姿勢の力

・崩しとは何か

・運命の分かれ目を感じとる方法

等について発表できたらと思っています。
今後ともよろしくお願い致します。
読んで頂き、ありがとうございました。


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