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悪魔のいけにえ in  Netflix

Netflixにて、『悪魔のいけにえ/レザーフェイス・リターンズ』を観た。
まぁ、『悪魔のいけにえ』シリーズの新作である。

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『悪魔のいけにえ』は伝説的なホラー映画でアート映画だが、これと、『悪魔のいけにえ2』はトビー・フーパー監督手ずからの傑作であり、美術品であるからして、その名を冠した映画は、設定だけ借りた面白映画に過ぎないので、今作もそうだろうとあまり期待せずに観た。
下記の『悪魔のいけにえ』の写真のような、奇蹟的に美しいショットはやはり微塵もなかった。

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今作は、ものすごく要約すると、レザーフェイスがゴーストタウンで殺しまくる話である。

下記の写真のメンバーが殺される主要メンバーたちだが、全員に一切愛着を持てないのがいい。安心して観ていられるキャラの薄さである。

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今作は、なんといっても約80分しかなく、その上、キチ○イ家族は出てこないので、たっぷりレザーフェイスを堪能できる映画である。
今作のレザーフェイスはこの上なく強く、格闘能力、機転に長けており、もはや怪物である。何発撃たれたか忘れたが、ライフルで少なくとも7発くらいは撃たれているのに生きている頑健さはどうだ。さらに、あまりのパワーファイターぶりに、軽くドスを振り下ろしただけで、簡単に顔面スライスしてしまうし、一度鋸みたいのを振り下ろせば、顔面が潰れてしまう(私はここで、『アレックス』の冒頭、ヴァンサン・カッセルに消化器で顔面を潰される人を思い出した)。
とにかくレザーフェイス強い!残酷描写これでもか!の楽しい映画であり、アトラクションムービーである。まぁ、お化け屋敷である。

もはや、レザーフェイスは亡霊か何かのようで、恐らくはチェーンソーにオーバーソウルされた何かではないか。
後半にバスの中で殺しまくる恐ろしいパーティーシーンがあるが、景気が良い。あまりにも景気のいい人死、四肢欠損に、私はこれが本当の『CLIMAX』だぞと、ギャスパー・ノエを叱りたくなる(なんかギャスパー・ノエっぽい色使いなんだよなこの映画)。

そして、次々と思わせぶりに出てきてはヤクタタズぶりを発揮するキャラクターたちもいい。キャラクターに背景はあるようで、一切持たせない潔さ。素晴らしい。ポップコーンムービーはこれでいい。いや、お家で観るNetflix映画はこれでいいのだ。ながら観に耐えうる(矛盾している)映画である。

今作は、前作の主人公サリーが復讐者として登場する、ある意味『ターミネーター/ニューフェイト』、乃至は『ハロウィン/キルズ』的な感じなのだが、最近流行っているのだろうか……。美しいマリリン・バーンズは亡くなられて、他の役者さんが演じているが、この婆さんも思いの外ヤクタタズ……。

積年の恨み晴らさいでか!と意気込み銃を向けるも、何故か賢者タイムのレザーフェイスはポイッと外方そっぽを向いちゃうの……。
そこで私はこのシーンを思い出した。

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とにかく、レザーフェイスを愛でる映画なのは間違いない。最後の最後まで気を抜けない。本当にいよ!レザーフェイス屋!と大向うを掛けたくなることを請け合い。
レザーフェイスもついにSNSデビューかと、嬉しくなる1本である。

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