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書店パトロール40 『フールナイト』はやはり最高だ。

書店は楽しい。色々と新しい本が出ているからだ。
最近、ラジオで紹介されていた、WEBで人気のマンガだという、『恋とか夢とかてんてんてん』なる作品が気になって、1巻が発売されたというので、探すが見当たらない。全く、見当たらない。なので、諦める。

そして、待望の『フールナイト』の8巻を購入。私は、常々『フールナイト』という作品に賛辞を送ってきたが、やはり最高のマンガであることは否めない。今巻はどちらかというと大きな章の区切りで、箸休め的な巻だったが、然し、この作品の書く設定と、虚無的なSF世界構造は相変わらずで、まぁ、楽しく読ませて頂いた。やっぱり映像化するのなら、アニメ映画だな、と独り合点、まぁ、Netflixとかで全8回とかでやって欲しいものだ。

で、この日、私はもう1冊気になるマンガが。
『チェルノブイリの祈り』、という、まぁ、ソ連時代のウクライナ社会主義共和国でのチェルノブイリ原子力発電所での事故をテーマにしたマンガである。

元々、原作があるのである。そのコミカライズ版なのだろう。
1話等はWEBで無料で読める。最近は、1話は無料で読めるのでいい時代である。

最近は、映画、『オッペンハイマー』を観たりで、まぁ、厭世的な気分である。そこに来て、また厭世的な作品を読むのは大変だが、然し、そこにも希望があるわけで、読まないわけにはいかないだろう。
『フールナイト』もまた、ダークなSFであり、然し、現実というのはその比じゃないほど残酷かつダーティかつブルータリズム満載なものなのである。
このブルータルな世界を生き抜くためには、やはり他者への共感力が必要だ。それこそが最大の武器だからである。

なーんてことを考えながら徘徊していると、美術書のコーナーに良さそうな本が。

『学芸員しか知らない 美術館が楽しくなる話』という本である。
学芸員。私が憧れる職業のナンバー1である。と、そうは言いながら、学芸員さんは大変そうだし、やはり、美術館はお客として行くのが楽だ。
そもそも私は、美術館という空間は好きだが、美術品はそんなに好きじゃないのだ。いや、好きじゃない、というと五平餅、いや、語弊があるが、まぁ、好きなものは猛烈に好きだが、大抵の絵は腕を組み、「うーん、なるほど、コンセプチュアルだなぁ。」とわかった顔をしてやり過ごすのが関の山、その程度の存在である。
然し、学芸員の秘密、というのは面白そうだ。これは買いだな〜、と思いつつも、最近、散財が激しい。なので、私はこの本を忘れるために、また再び書店の大海原に繰り出す。

講談社学芸文庫のコーナーで、小沼丹の『村のエトランジュ』を買おうかどうか逡巡する。と、いうのも、こういう、マイナー系に心惹かれる私である。

なんか、私は小沼丹の小説を読んだことはないけれども、タイトルの付け方がええなぁ、『白孔雀のいるホテル』、なんて、なんとも想像力を掻き立てられるじゃないの。しかも、パラパラ読むと、筆致もいいし、ああ、買いたいなぁ、とムクムク思いが湧き上がる。湧き上がるが、やめておく。
理由は一つ。私の手持ちでは、『フールナイト』の8巻を購入するのが限界だから、である。


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