Bunposha Cinema Club

名古屋に拠点を構える、印刷・広告制作を生業とする株式会社文方社(http://bunp…

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名古屋に拠点を構える、印刷・広告制作を生業とする株式会社文方社(http://bunposha.co.jp/)の社内同好会です。6人のシネマアディクトが映画や映画にまつわるアレコレを好き勝手に愛情を込めてレビューします。最新作から個人の思い出の1作まで毎週2・3本アップします。

最近の記事

歴史ファンタジーが好きな人、必見『わたしの幸せな結婚』【映画レビュー】

★★★★★ 鑑賞日:4月21日 劇 場:Amazon Prime Video 監 督:塚原あゆ子 出 演:目黒蓮、今田美桜 『わたしの幸せな結婚』 もともとはオンライン小説で、つぎにアニメ化された作品 小説は読んだ事がないけど アニメは見ました! 物語は う〜ん “陰陽師”と“帝都大戦”と“シンデレラ”が合体したって感じかな? 時代背景は“明治大正”っぽい雰囲気で、物語は“陰陽師”ぽいかな? でもメインストーリーは “シンデレラ” 何を言っているのか・・・? そう こ

    • リンチとヴィル、ときどきホドロフスキー『DUNE』新旧比較してみた。

      『デューン』とは 原作はフランク・ハーバートの「Dune」で1965年から20年間にわたって書き続けられてきたSF古典。ヒューゴー賞、ネビュラ賞を受賞している。1965年に発表された『デューン/砂の惑星』は、1971年以降複数の映画製作者が映画化の権利を所有するなど何度も映画化が試みられたが、物語の複雑さ重厚さにより映像化が困難な小説とされていた。 映画『デューン/砂の惑星』あれこれ 人類が宇宙で新たな帝国を築いた10190年、辺境にある砂漠の惑星アラキス、通称「デュー

      • 劇場の大スクリーンで観ることが出来て本当に良かった ドル3部作『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』【映画レビュー】

        映画館では、見られないと思っていた作品を3本も観ることが出来ました。 何で今公開? マカロニウェスタン公開60周年記念だそうです。 TVで放映時に観ていますが、大スクリーンで、一つ一つの画を贅沢にじっくり味わい、映画館の音響に酔いしれました。 最初から3部作を意図して作られた作品ではないのですが、60年経って見ると、これは過去最高の3部作です。 『荒野の用心棒』 1965年公開 ★★★★☆ 鑑賞日:3月23日 劇 場:ミッドランドランドスクエアシネマ 監 督:セルジオ

        • シネマスコーレで観た『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』【映画レビュー】

          ★★★★☆ 鑑賞日:3月30日 劇 場:シネマスコーレ 監 督:井上淳一 出 演:井浦新、東出昌大 1982年に若松孝二監督が、名古屋に作ったミニシアター シネマスコーレの物語をそのシネマスコーレで、鑑賞することが出来た。 シネマスコーレには、1980年代の後半に、小津安二郎の集中上映をした時に行った記憶がある。今回 約35年ぶりの訪問になります。 待合室に映画の機材とレアなポスターが展示してあり、入場は開演の5分前に入口に集まりに、配られた整理番号順に入場し、席の指定

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          本当に半地下はまだマシなのか?韓国から新たな若き才能が登場『ビニールハウス』【映画レビュー】

          ★★★★☆ 鑑賞日:3月20日 劇 場:伏見ミリオン座 監 督:イ・ソルヒ 出 演:キム・ソヒョン 「半地下はまだマシ」 そんな身も蓋もないキャッチコピーが付いた映画が韓国から現れた。 実際にそうも思えてしまうくらいに、この映画の主人公ムンジョンは元から厳しい暮らしを強いられた上、更に酷い状況にどんどんと追いやれていく。 家はビニールハウス。農業で使われている、あのビニールハウスである。 息子は少年院。 母親は入院中。 盲目の夫と認知症の妻の老夫婦の介護の仕事で

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          完全復活目前ベッソン監督最新作『DOGMANドッグマン』【映画レビュー】

          ★★★★☆ 鑑賞日3月10日   劇場: MOVIX三好 監督:リュック・ベッソン 出演:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ    ジョージョー・T・ギッブス 〈ネタバレあり〉 ”神は救いを求める者に犬を与えた” ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの怪演とベイビー達(犬たち)のファンタジーな演技が最高 『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイヤ』(1994)さながらに 聞き役となるエヴリンに壮絶な半生を語っていく  如何にして凄惨な少年時代から脱したのか  何故“ドッグマン”な

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          遅ればせながら 最高だった『THE FIRST SLAM DUNK』【映画レビュー】

          ★★★★★ 鑑賞日:2月28日   DVD 原作・脚本・監督:井上雄彦 声:仲村宗悟 笠間淳 神尾晋一郎 木村昴 三宅健太 ※敬称略 2022年12月3日劇場公開前 3DCGを活用したヴィジュアル  声優陣の交代 情報の少なさも相まって 不安ばかりが先行したが 蓋を開ければ大ヒットだったのは記憶に新しい ロングランにも関わらず チャンスを逃し続け  1年2か月後遅ればせながら DVDで鑑賞 始まってすぐは3DCGに違和感を覚えたが  タイトルが出るころには がっつりハマっ

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          結構グロイぞ この仮面ライダー『シン・仮面ライダー』【映画レビュー】

          ★★★★★ 鑑賞日:3月9日 劇 場:Amazon Prime Video 監 督:庵野秀明 出 演:池松壮亮、浜辺美波 血飛沫が舞う始まり!  アッ この仮面ライダー PG12指定だ 仮面ライダーなのに 子供と見れないなんて! でも 大人のライダーもいいかもね☆ 戦闘シーンのテンポが早くて小気味よい 特にラストのバイクを使ったシーンは見どころかもね バイク(MotoGPみたいな)好きの人にはたまらないかもしれないね キャストも中々 隠れキャラとか声だけとか この声誰?

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          ボーの奇妙な冒険『ボーはおそれている』【映画レビュー】

          ★★★★☆ 鑑賞日:2月18日   劇場:MOVIX三好 監督:アリ・アスター 出演:ホアキン・フェニックス アリ・アスター監督長編映画3作目 『ヘレディタリー/継承』(2018)『ミッドサマー』(2019)と同様  今作も「家族」の物語となっていた 『ヘレディタリー/継承』 監督自身と家族に起きた辛い体験を癒すために作った 私的セラピーな家族崩壊物語 『ミッドサマー』 一家心中のトラウマを抱えた主人公が 旅先の白夜のホルガ村で新たな家族を手に入れる物語 「家族」の

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          恐怖と笑いの大人版 大ピンチずかん『ボーはおそれている』【映画レビュー】

          ★★★☆☆ 鑑賞日:2月20日 劇 場:109シネマズ名古屋 シアター2 監 督:アリ・アスター 出 演:ホアキン・フェニックス 主人公ボーはとってもひどい目に遭う。 何度も何度も本当にひどい目に遭う。 ボーはとっても可哀想だ。 ボーは辛そうだ。 なぜか連想したのは4歳の娘が好んで読んでいる1冊の本。 『大ピンチずかん』である。 子供のピンチあるあるが詰まった大ヒット作。 つらい、ドキドキ、ふあん ボーが感じていることではないか。 隣人からのクレームで大ピンチ 寝

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          困難を抱える二人を支える、二人の上司の存在『夜明けのすべて』【映画レビュー】

          ★★★★☆ 鑑賞日:2月12日 劇 場:109シネマズ名古屋 シアター2 監 督:三宅唱 出 演:上白石萌音、松村北斗 映画館で何度か予告を見ていたはずなのに、キラキラ映画の一種かと思い、危うくスルーするところであった。 『きみの鳥はうたえる』、『ケイコ 目を澄ませて』と大傑作を撮っている三宅唱監督の最新作。 既にあちらこちらで称賛の声が上がりまくっているが、個人的には中小企業を舞台とした映画として本当に素晴らしい作品だと思った。 主人公の藤沢さん(上白石萌音)と山添

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          サブカルや音楽の力をまだ信じたいという人に絶対見てほしい『ストップ・メイキング・センス』【映画レビュー】

          ★★★★★ 鑑賞日:2月10日 劇 場:ミッドランド名古屋空港 監 督:ジョナサン・デミ 出 演:トーキング・ヘッズ 1984年にトーキング・ヘッズのプロモーションビデオの中で、顔を黒や茶色に塗って有色人種に見せる演出を使ったことに対してデビッド・バーンは、こう語っている。 この記事を読むと2021年公開の『アメリカン・ユートピア』は、デビッド・バーンの内なる変革の物語だとも言える。 若い頃のバーン氏なら社会問題などに無関心で、現代音楽から民族音楽までの膨大な知識

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          鬼太郎の存在こそが怨念の中の希望『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』【映画レビュー】

          ★★★★★ 鑑賞日:2月3日 劇 場:ミッドランド名古屋空港 監 督:古賀豪 出 演:関俊彦(声優)、木内秀信(声優) 1月に、めでたく再々創刊された雑紙「映画秘宝」の中の「三留まゆみの猫目映画時評」が興味深い劇場映画ルポだった。 ●「君たちはどう生きるか」「ほかげ」「ゴジラー1.0」「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」「あの花の咲く丘で、君とまた出会えたら。」「窓ぎわのトットちゃん」この6本の作品は太平洋戦争から敗戦にかけての日本が描かれている。 ●戦中・戦後の映画が一つ波を作っ

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          美しくも残酷な愛のかたち『ボーンズ アンド オール』【映画レビュー】

          ★★★★★ 監督:ルカ・グァダニーノ 出演:テイラー・ラッセル    ティモシー・シャラメ    2022年米・伊合作映画 “骨まで愛して”  動物は皆 食べずに生き続けることはできない  歪な青春ラブストーリー 様々な州をまたいでのロードムービーでもある マイノリティの 同族なるものの中にも個々があり 苦悩する者 あがく者 あきらめる者 謳歌する者 少年のような少女マレン 少女のような少年リー  抗えない宿命を生きる中で 必然的に出会った二人  美しき映像 言葉などいら

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          【少しネタバレあり】愚かなるものたちよ、私は成長する『哀れなるものたち 』【映画レビュー】

          ★★★★☆ 鑑賞日:2月1日 劇 場:109シネマズ名古屋 シアター3 監 督:ヨルゴス・ランティモス 出 演:エマ・ストーン、マーク・ラファロ、 ウィレム・デフォー 監督ヨルゴス・ランティモス ギリシャ出身 監督作は、 『ロブスター』 『聖なる鹿殺し』 『女王陛下のお気に入り』 ストレンジでアクの強い作風で知られる監督である。 本作は原作があるとは言え、非常にランティモスらしい一作に仕上がっている。 自殺した主人公は、お腹の中の子供の脳を移植され蘇生する。 見

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          30年ぶり劇場公開!『レザボア・ドッグス リマスター版』観てきた。【映画レビュー】

          ★★★★★ 鑑賞日:1月8日 劇場: MOVIX三好 監督:クエンティン・タランティーノ 出演:ハーヴェイ・カイテル    ティム・ロス    マイケル・マドセン 1992年米映画 「リトル・グリーン・バッグ」(By ジョージ・ベイカー)をバックに黒ずくめの男たちが闊歩する。スローモーション(実際はステップ・プリンティング)がカッコいい。 このシーンを劇場の大スクリーンで拝めただけでも大満足。 あの衝撃から30年かー(自分は当時劇場で観ることが出来なかったので29年く

          30年ぶり劇場公開!『レザボア・ドッグス リマスター版』観てきた。【映画レビュー】