「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」改定案のパブコメ募集!
4月24日に「第11回 新型インフルエンザ等対策推進会議」が開催され、パブリックコメントの募集も始まりました。
「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」改定案
共同通信の記事には、「改定案では緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置を巡り、状況に応じた考え方を示した。初期は、強い対策で感染症を封じ込めることを念頭に対応」と書かれていました。
改定案は、下記のページでも公開されています。
PDFで、223ページあります・・・。概要をまとめた資料もありますが、概要だけでは問題点は見えてきません。全部読む時間がない人も、目次を見て気になるところだけでも読んでみましょう!
私もまだ全部は読んでいないので、気になるところを取り上げます。
16ページ 第1節 感染症危機を取り巻く状況
なんだろうこの既視感。ワンヘルス、AMRなど、パンデミック条約やIHR改正の資料と同じキーワードが出てきます(下記参照)。
127ページ
緊急承認について書かれています。安全性を置き去りにして、今まで以上にスピード重視になりそうです。
緊急承認制度については、厚労省のサイトに説明があります。
有効性が「推定」できれば、承認されてしまいます!
特例承認より、さらに短い期間で承認されます。
緊急承認については、下記の記事でも取り上げました。
新型コロナ治療薬としてゾコーバが2022年11月に緊急承認されましたが、2024年3月に通常承認されました。
ゾコーバは緊急承認までに、承認見送りもありましたね。
上記の記事には、「塩野義は昨年6月、本承認を厚労省に申請し、投与による体内でのウイルス量の減少量や陰性になるまでの期間などのデータを追加提出。処方した患者約90万人についての安全性のデータも出していた」と書かれています。90万人も処方されたのですね。
資料1-3-1 緊急承認された医薬品(ゾコーバ錠)が通常承認されたことに伴う対応について
上記の資料にも「ゾコーバ錠が緊急承認されたことから、ゾコーバ錠の安全対策として、安全対策調査会における評価及びリアルワールドデータの活用を行うことを審議し、了承された」と書かれています。
つまり、処方された人のデータが安全性の確認などに使われたということです。
PMDAのサイトで、添付文書と審査報告書が公開されています。
確かに、2024年3月に通常承認になった報告書があり、添付文書からも「緊急承認」が消えています。
ファイザー社製コロナワクチンの今
ここで、特例承認されたコロナワクチンはどうなったのか確認してみたら、添付文書に気になる点がありました。
もう使われていない起源株ワクチンの添付文書には、「注意ー特例承認医薬品」と書かれています。
ところが、3月まで使われていたRTUの方は「特例承認」が消えています。下記は、2024年4月に改訂された第8版です。
1つ前の第7版には、「特例承認」の注意書きがありました。
さらに、定期接種になってからは1人用になったようですが、そちらにも「特例承認」の注意が書かれていません。
知らないうちに通常承認になったのかと思いましたが、審査報告書は特例承認のままでした。
PMDAの同じページにある「患者向医薬品ガイド」にも、下記のように書かれています。
G_コミナティRTU筋注1人用_2024年3月作成
やはり特例承認のままです。
なぜ添付文書から「特例承認」という注意が消えたのでしょうか。
そもそも、もう緊急事態ではないのに、リアルワールドデータも山ほど集まっているはずなのに、なぜ通常の審査をしないのでしょうか。このまま、通常承認したように思わされてしまうのでしょうか。
特例承認でさえ安全性に問題があったのに、それをきちんと検証しようとしていません。特例承認よりも短い期間で承認される緊急承認のワクチンなど、安全性はどうなるのでしょうか。
国際連携
細かい部分では、わざわざCEPIについて脚注までつけて書いてあるのが気になりました。
125ページ
CEPIについては、下記の記事で取り上げました。
改正前の行動計画は、下記のページで公開されていました。
参考資料2_新型インフルエンザ等対策政府行動計画 (平成25 年6月7日閣議決定(平成29 年9月12 日変更))
改正前と比べてようと思ったのですが、まとめ方が変わっているのでどこが変わったかわかりにくいです。
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