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ガラスペンに恋をした夏。

書きたいことがあるから書くとかじゃなくて。

それが道具から始まるのって面白いなって

近頃思ってる。

この筆記用具を使ってみたい。

この筆記用具だったらどんなことが書けるん

だろうって。

いつもとは違うアプローチもいい。

ずっとガラスペンのことが気になっていた。

いつか使ってみたいと思って、憧れは伸ばし伸ばしに
なっていたけど。

出会ってしまった。

この間、友達とブックカフェに訪れた時、ひとめ
ぼれして買ったのが⇩こちらです。



こちらは、クリームソーダ職人のtsunekawaさん
監修された可愛いクリームソーダと空色のコラボ
レーション。

ガラスペンとインクとポストカードの
5点セットがむかしのビデオみたいな箱に
入っているもの。

わたしが悩みに悩んで選んだのが
「茜色」だった。

ぜんぶ空の色のシリーズになっていて。

他には



とか



とか素敵すぎて、迷っていた。

いつもなら夜空を手にしてしまいそうだけど
その時はあかね空が気になっていて。
おもわず指を伸ばしていた。


ふたを開けるとこんな感じ。



こちらはガラスペンとインクと
ペン置きが眠る部屋。



インクをつけないままのガラスペン。


とがったペン先も、インク壺にひたされるまえは
こんなふうにガラス色。



「翠縹」という色のインク。

すいひょうと、読むらしい。
すいは翠。ひょうは縹。
しらない漢字だ!

この色は

緑と青が混ざり合ったような色を
淑やかに降る雨に見立て表現した空想の言葉です

商品の説明書より。

おお、そうか。
この色の名前は、架空の色の名前なんだなって
想ったら。違う世界の雨を想っているみたいで
楽しくなってきて、現実から逃れたいわたしに
とってはとっておきの世界だった。

この説明文にはまだもうひとつ夢みたいな短い
文章が添えられていた。

それはまるで、流れ星に願いを込める祈りのように
あなたのしたためた一文が
大切なひとにとっての道標になるように。
このガラスペンとインクを使って書く手紙が
人生の何かが変わる
ほんの些細なきっかけになれば幸いです。

商品の説明文。

このビデオケースみたいな箱を開けただけなのに
もうお手紙をもらったような気持になる。

そしてわたしはこのガラスペンで2通の手紙を
贈った。

ガラスペンは書いているそばからエンタメなのだ。

さっきの無垢ななににも染まらない裸のガラスが
インク壺にひたすだけでみるみるうちに
青く染まった。

そうこの色が「翠縹」という色。

そして、いざ書こうとすると、ちょっとなにか
抗う感じがあって。

最初は試しに横書きで書いていたのだけど、うまく
いかなくて。

これもしかしたら縦書きのほうが相性がいいかもしれ
ないと、縦書きに変えてみた。

そうしたら、さっきまでガラスペンの先がとても
嫌がっていた抵抗のようなものが消えてするっと
ペン先が進んでくれた。

これはなんかさっき紹介分に道標って書いてあった
けれど。

ペン先がわたしの行きたい場所を教えてくれる
みたいに、文字までを導いてもらっている気分に
なっていた。


翠縹色にからだをそめたガラスペン。




書いてみたら。
これほんとうにエンタメだった。
ペン先がみるみるうちに染まるだけじゃなくて。

ガラスペンの尖ったところから声がする。
カリカリって、ちいさな動物がなにかを食んでる
みたいな可愛い音がする。

それは紙質でもぜんぜんちがうのだけど。
トレーシングペーパーの便せんに書いている時は
割とはげしくかりかりって音がしていた。

そしてポストカードに書いていた時は遠慮気味に
かりかりっと。


左の懐かしいクリームソーダのポストカードは
南に住んでいるお友達に贈った。

彼女は好きな世界も似ていて、今それ考えていた
もそっくりでおまけに名前までトレースした
みたいにほとんど一緒だった。

あとから彼女から届いたよってLineをもらった。

わたしの文字が躍ってた。

書いていたらそばで話をしているみたいに
心がはしゃいでいた。

ガラスペンで書くと、気持ちが華やぐのだ。
ちょっと陽キャになった人の文字と文章
みたいだった。

そしてじぶんだけのノートになにかガラスペンで
書きたいなって思って大好きな藤井風さんの
歌詞を書いてみた。




気持が逸ったのだ。
さいごのほう文字がやっぱり踊ってる。

好きなアーティストの歌詞を書くのは
やはりうれしくて妙に緊張する。
憧れのガラスペンで憧れのアーティストの
言葉をしたためるなんて、ちょっと心臓が
やばかった。

らっせーらっせーって踊ってる感じがしてる。

そして陽キャになった持ち主にさんざんつきあって
くれたガラスペンは、こんなふうに静かになっていた。



ひとまず、眠る。

仮眠をとる時はこんなふうに、ペン置きの上で。

ちゃんと眠る時は、箱の中で。

note始めた頃から憧れていた3年越しの恋が
実ったみたいなガラスペンとの出会いの
おはなしでした。











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