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カスタマーサクセスチームのスキルアップでチャンレジしている取り組み

こんにちは。BYARDの創業メンバーであり、現在はCSの責任者を務めている鈴木高太郎です。

鈴木 高太郎(すずき こうたろう)
BYARDのHead of Customer Success
求人広告会社、映像制作会社で10年以上セールスを務めた後、飲食店のWeb予約台帳サービス「トレタ」に創業メンバーとして参加。「カスタマーサクセス(CS)」という言葉が無かった頃からCSに取り組んできたスペシャリスト。土日は終日わが子の参加するサッカーチームのコーチとして活動中。Twitter▶https://twitter.com/izousan


今回は、カスタマーサクセスチームにおけるスキルアップの取り組みについて紹介したいと思います。
初めての試みであり、チャレンジしている最中ではありますが、感触はとても良いため、しばらく続けていきたいと考えています。


カスタマーサクセスチーム構成

2023年10月時点で、私を含めて4人でチームが構成されています。その中には、カスタマーサクセス第一世代のメンバーが2人おり、前職で数年間CSMの経験がある方もいます。また、BYARDに参加して初めてCSMに取り組んでいるアソシエイトの方もいます。しかし、全員がCSについての知識を持っているわけではありません。

取り組みを開始したきっかけ

そもそもですが、我々のようなスタートアップは常に人的リソースが不足しているため、私を含めて成長しなければ、このスピード感に取り残されたり、CSチームがボトルネックになり事業成長を妨げる可能性がありました。常に成長を促進する機会を作る方法を考えていました。
また、現在は4人でフラットな組織で楽しいですが、人数が増えていくとこのフラットな状態を維持することは難しくなることを過去の経験も含めて理解しています。
そして、人数がある程度増えてから大きな変革をすることは障壁が高く、スピード感も失う可能性があるため、失敗しても今のうちなら何でもできるという考えで始めました。

カスタマーサクセスのスキルってなに?

さて、成長をスキルアップと考えた時、小手先のテクニックを磨くことが正解なのか、という疑問がずっと私の中にありました。説明力をつけることや、機能理解や質問力を磨くことが必要なのでしょうか?しかし、環境が素早く変化する中で機能改善が非常に早いため、そのようなスキルを身に着けても有効期限が非常に短いと思っていました。
そのため、テクニカルスキルを身につけるのではなく、スキルを発揮する上で必要なスタンスやマインドを磨くことが重要だと考えました。つまり、コンピテンシースキル的なものを磨くことで、時間はかかるかもしれませんが、会社の成長スピードに置いてかれない状態になるのではないかと思います。したがって、スタンスやマインドの醸成をすることで、*T2D3に備えるための一番の近道だと思って取り組んでいます。

*T2D3とは、(Triple, Triple, Double, Double, Double/トリプル2回、ダブル3回)の頭文字をとった略称で、クラウド領域で著名なNeeraj Agrawal氏が提唱したものです。分かりやすくいうと、サービスをスタートしてからの売上額が、前年を基準に毎年3倍、3倍、2倍、2倍、2倍と上昇し、「5年で72倍」の売上を目指すという意味です。SaaSのスタートアップ企業の成長スピードを測る指標とされています。

https://scalecloud.jp/blog/about_t2d3/

では、どんなスキルを構築すべきか?

当然のことながら未完成ですが、CSメンバーや他のチームの人と壁打ちしながら絞り込んだ以下の6つのポイントがあります。

  • セルフマネジメント力

  • 対人関係力

  • コミュニケーション力

  • プロジェクトマネジメント力

  • プレゼン力

  • 再現性

一部にはテクニカルスキル的な要素も含まれていますが、これらの6つの要素が根底にあり、これらを習得することで別の部署に異動しても十分な戦闘力を身につけることができると考えています。
これらのスキルを更に細分化して、全体を5段階に設定し、それぞれの項目を30個で評価していくようにしました。
たとえば、最初の要素であるセルフマネジメント力には以下のような項目が含まれます。判断基準としての目安も設定しています。

評価の仕方ってどうやるのか?

とにかく透明性が高くて、フェアな設計が重要だと考えています。この考えはCSチームだけでなく、BYARDの全体的な文化にも存在し、それを逸脱することは許されません。実際、私はこの文化が気に入っています。先輩後輩の関係や年齢に関係なく、私たちは個々の人間であり、それぞれに家族やパートナー、親友がいることを忘れてはなりません。そのため、できるだけ公平に行うべきだと感じています。
そのため、まず取り組んだのは自己採点と全員の評価です。ただし、匿名ではなく、直接本人にフィードバックを行う方法です。
社歴の浅いメンバーにとっては困難で厳しいシステムかもしれませんが、現在の心理的安全性が確保されている状態であれば、良い効果があると考え、この取り組みを行いました。

やった結果はどうだったか?

1人30分づつ、合計2時間を使って、フィードバックをしました。一例として僕の評価を晒したいと思います。

とても嬉しいことに、自分で付けた点数よりも下につけてくれたメンバーもいました。当初、忖度したり、言いづらいなーって思われて正直にフィードバックをもらえないんじゃないかという恐怖がありましたが、そんなものは一切ありませんでした。各メンバーから丁寧にコメントもいただけました🙏

細かい内容まではここではオープンにはしませんが、それぞれとてもありがたいフィードバックをいただきました。もちろん、社内では詳細もオープンにしていますので、気になる方はBYARDに参加して確認してみてくださいw
さらに面白かったのは、「そもそもkotaroさんはこのスキル5まで伸ばす気ってありますか?」という質問があったことです。それはとても鋭い質問で、僕自身も苦手だと思っていて、得意な人が必ず周りにいるので、その人に任せちゃうという手段をとっているからです。とても細部まで見てくれているんだなととても嬉しかったですし、強いチームができるなーってとても自信になった質問までありました。今回は僕だけの評価をシェアしましたが、それぞれみんなやる前はドキドキでしたが、やった後は非常に体験もよく、半期ぐらいで定期的にやることが決まりました。

評価の結果はどのように取り扱おうとしているか?

さて、ここまで作ったものをどのように扱うか考えています。私たちはこれをそのままグレードに転換したいと考えています。現在のイメージは以下のような感じです。

  • 全て2:アソシエイト卒業

  • 全て3:独り立ち

  • 全て4:リーダー

  • 全て5:マネージャーまたはプロフェッショナル

フェアであるべきなので、当然この指標はもう少し運用してから改善を行い、判定基準の内容やみんなの意見も反映して修正していきたいと考えています。まずは荒くても基準を作ることで、目指すべき方向があることが重要だと思っています。
また、プロジェクトのアサインや担当顧客のアサインなど、業務をお願いする際には、伸ばすべきところからアサインしていくという指標ができました。この方法は、アサインする側だけでなく、される側にも非常に良い効果をもたらしています。

さて、みなさん、いかがでしたでしょうか?BYARDのCSチームは、自己成長を促すことをとても大切にしています。そのため、各人の得意や強みを最大限に引き出すチーム運営を目指しています。CSを勉強したいという理由でエントリーしていただける方も増えてきましたが、CS以外の成長機会を求めている方も大歓迎です。ぜひ、カジュアル面談のご連絡をお待ちしております。

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