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Intermezzo~間奏曲~②私の名前

 唐突ですが。私の名は、”泰子”と書いて”よしこ”と読みます。
正直言って、この”泰”の字が”よし”と読めるというのを見たことがないので、ありきたりな読み方ではないことは確かです。

この十数年当たり前?になってきた、キラキラネームみたいに振り切った読み方だったら、珍しくてステキ!なんでしょうけど、”よしこ”自体があまりにもフツーで主張がないので、特に気に入っているとかもなく過ごしていました。
小学校の頃から、学級委員の任命式や表彰など、必ず”ヤスコ”と呼ばれました。子供心にちょっと残念な感じと、やっぱりな…と、まぜまぜな気持ち。

ちなみに、私は上に姉がおり、”華子”と書いて”あやこ”と読みます。見た目も音も美しい…と私は羨ましいのですが、姉は「私は名前負けしてるねん」と独身の頃言っていたので、親の気持ちとウラハラに、付けられた子供にとって名前というのは難しいな、と思うのです。

そんな名前ですが、20代後半のある日、父と電話で話していると、突然宣言されました。
父;お父さんな、これからお前のことを”ヤスコ”と呼ぶことにする。
私;なんで?
父;いやぁ、名前というのは素直に読んだ方がエエような気がするんや。
私;(自分が付けた名前やん)…はぁ、どーぞ。

父はこの他にも「何でお前の目は一重なんやろ。お父さんは二重やし。」と、言っていたので、その時は「お母さんが一重やから」と流していましたが、疑問に感じたわりには整形費用出すから二重にしろ、という具体的な話もなく終わっていました。
どうやら30代目前の娘が結婚のケの字もないことを、誰かに言われたのか、急に不安になったらしい。。。

で、名前の呼び方の話に戻ると、私を”ヤスコ”と呼ぶことを宣言してからその後、父と話したり会ったりした時に”ヤスコ”と呼ばれたことは一度もありませんでした。その話もすることもなく旅立ちましたので、ナゾのままです。
今となっては、初対面の人に、必ず「ヨシコって読むの」とか、「春って漢字の日の部分が水みたいになってる字」と説明をしたりするのも、名前の読み方が話のネタの一つになるし、”天下泰平”の”泰”なんて大きくてエエやん、と思いつつ過ごしています。

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