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ゲイの性自認と家族.3

両親は、僕を放っておかなくなりました。
止まってた家族の時が動き出したんですね!
大嵐ですけど!!

以前は、僕が部屋で暴れていても、なにも言及してこなかったんです。多分2人の間で「そっとしておこう」みたいな取り決めがあったんでしょうね。それを撤回したみたいで。
僕が癇癪を起こして、自室の壁を蹴り倒して大穴を開けていたら、母が飛んでくるようになりました。

「何がしんどいん?ねむれへんの?」

死ね!!!!!!」

取りつく島もありません。
僕は1年以上ずっと、感情に蓋をしていたので、何をされても感情が噴き出るようになっていました!厄介すぎる!!

母に直接嫌なことをされたことは一度もありませんでした。ただ僕が父に追い詰められているのを静観していたことが許せなかった。
これは諍いのうちにわかったことなんですけど、母は僕が傷つくのに頓着がなかったんですね。
「ぶたれてもよくない?何がそんなに怖いのかわからない」
なるほどその発想は無かった!!!
僕は母に伝えました。父が、僕の話を聞く姿勢が無い態度にとても耐えられない、と。
意見をすり合わせていく中で、自分と母の考え方がまるで違うことを知っていきました。そして僕自身、両親を恨んでいても精神的に依存していたことに気づきました。子供として二人のことを許せなかった。親は考え方まで寄り添うわけじゃない、他人なんだ。
自立って、親が他人だって心で感じることを言うんでしょうかね。


父はたまにメールを送ってくるようになりました。

『今日はピクニックに行ってきたぞ。
お父さんはお前を愛しているんだ。
元のお前に戻ってくれ』

死ね!!!!!!!!』

父と顔を合わせたら、試合のゴングが鳴ります。といっても僕は委縮したまま、ただ叩かれて終わるんですけどね。私を愛してるならなんでそんなことをするのよ!!

のちに、父の行動理由を母に尋ねたら教えてくれました。
「お父さんは、アンタの中に悪いものがいるから、ぶったたいて追い出してるんやってさ」
「やっぱり死ね!!!!!!!!!!!」
父にとって当時の僕は、可愛い息子の体を乗っ取った悪魔らしいんです。親父おまえ、浄土真宗だよな?????悪魔って概念は存在するのかよ?????

思い返せば、父には友達が一人もいません。話し相手が母しかいない。他人と意見の交え方がわからないんです。なので考えは全て、自己完結。

俺じゃん……
似たもの親子、ここに極まれりじゃん……

むかしの僕の写真を見せながら、父は笑いかけます。
「このころの優しかったお前に戻ってほしいんや」

僕は発狂して家族アルバムを切り刻みました。

「俺を見ろ!!!!!!!!
”今”の俺を!!!!!
見やがれ!!!!!!」

僕の心の叫びは通じたらしく、それから父は僕を殴ることも、意見することもなくなりました。
「見れない」
という返答だと思っています。



ここで大事なことを一つ!
僕のお父さんね!めちゃくちゃ良い人です!!
僕の友達が家に遊びに来たら、スーパーにお菓子とジュースを買いに行ってくれます!
とっても子煩悩で穏やかな人です!!

ただし親父自身を否定しなければ!!!
たぶん否定され続けた過去があるんでしょうね。親父の口癖「違う」ですから。そして否定されたときに、自分を肯定してあげられない人だったんです。
僕は自身と親父の存在を全否定したときに、とんでもなく彼を追い詰めてしまったみたいで、それまでなんとか隠していた面を露呈させた。僕の親父に対する失望の背景は、そんな感じです。

もうひとつ大事なことを!!
お母さんは世界一素敵な人です!!
ボロボロの旦那と息子を抱えた家庭を守りきった強い女性です。多少歪んだけどご愛敬ってことでよろしく。

「べつに今死んでも、そんなに後悔がない」

僕、母のこのセリフが大好きなんですよね。幸せってつまり、これを言える状態のことだと思ってます。僕は幸せな人を尊敬しています。お母さんサイコーです。

これまでの家庭内論争に見切りをつけるために、自分の身勝手な行いを両親に謝罪した後、自室で一人。息をつきました。


ゲイって誰にも否定されてね~~~~~~!!!

否定してたの俺だけ~~~~~~!!!!


こんな間抜けなことあります?
保健の教科書、書き換えとけよ!!!!!
それだけで済む話じゃねえか!!!!!!

次回!ゲイって隠さなくていいんじゃね?
12/13 更新!


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