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ロベルト・シューマン雑記note

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シューマンの音楽を歌ったり弾いたりして、感じたことなどを綴っていきます。調べたりして知ったことも含めますが、あくまでも私が演奏して感じたことなので一般的なこととずれていてもお許し… もっと読む
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君に対するただひとつの嘆きです シューマン《ピアノソナタ第1番》

君に対するただひとつの嘆きです シューマン《ピアノソナタ第1番》

前回の続き

楽譜を初めて出版した1831年、シューマンは、彼の創作に次いで重要な功績となった音楽評論活動の口火を切り、当時のドイツではほとんど知られていなかったフレデリック・ショパンの天才を見抜いて評論文を書き、これによってショパンの名はドイツ国内で広く知られるようになりました。

そして1833年頃には、シューマンは作曲においても評論においても次第にその頭角を現してきていました。またこの頃、次

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シューマン《アベッグ変奏曲》

シューマン《アベッグ変奏曲》

幼い頃から文学だけでなく、ピアノでも才能を発揮していたシューマンですが、ピアニストを志そうと、母親から許可を得て決心したのが1830年20歳頃です。
しかし1830年〜1832年頃にかけて、その晩学の遅れを取り返そうと機械を使った無理な訓練によって指の麻痺が残ってしまい、ピアニストになることを諦めなければなりませんでした。

絶望の中にありながらも作曲に専念し、クララと結婚するまでの10年間にシュ

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シューマンレポート「ミルテとバラで」

シューマンレポート「ミルテとバラで」

コンサートに向けて少しずつシューマンの音楽についての所感や分析をnoteにまとめていきます。
隙間時間に少しずつ文章を加えていく予定です。

コンサートで歌う一曲目は
会うことも阻まれたクララとの結婚をめぐる、彼女の父親でもありピアノの師でもあったヴィークとの裁判も終わりに近づいた1840年に作曲された歌曲集≪リーダークライス≫作品24の終曲「ミルテとバラで」です。

ハイネの「歌の本」の詩による

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『子供の情景』第1曲「見知らぬ国から」

『子供の情景』第1曲「見知らぬ国から」

シューマンに関するマガジンを作ったので、どんな感じになるか、試しに作ってみました。

この曲は有名な「トロイメライ」を含む13曲のピアノ曲集『子供の情景』の第1曲目です。

シューマンが28歳の頃(1938年)に作曲しました。

『子供の情景』は愛するクララに会うことを、彼女の父親から禁じられていたシューマンが、かつて彼女から「私にはあなたは時々子供のように見える。」と言われたことを受けて、子ども

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