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仏INSEAD/EMC:”国際通学”するパートタイム修士なら働きながら学べます!

INSEADのExecutive Master in Change(通称、EMC)は、 “Together, we transform”をテーマに、「個人、家族、組織、社会」といったあらゆるシステムレベルで起こる“Change”について、組織論と心理学を用いた組織心理学の観点から、ビジネスプロフェッショナルに新しい視座を提供するプログラムです。

EMCは、2023年現在、フランスのフォンテンブロー(ヨーロッパキャンパス)と、シンガポール(アジアキャンパス)の2カ所でそれぞれ教えられています。私が学んだのは、シンガポールのアジアキャンパスです。
 
EMCは、パートタイム修士です。2~3カ月に一度、キャンパスに集合して対面授業を受ける必要がありますが、フルタイムで働きながらでも学べるようなスケジュールが組まれています。

通学が必要な対面授業と対面授業の間には、ケースペーパーの提出と、教授を交えたケースコールがオンラインで行われ、それぞれのモジュール毎には、事前課題図書と、事後の課題図書が出されます。これらを8モジュール分、8回に渡って繰り返すという、対面授業とオンライン、各自の課題図書研究というハイブリッド型が、私の通ったEMCでした。
 
私は入学当時はシンガポールに住み、シンガポールでフルタイムで働いていたので、EMCの授業がある日は、有給休暇を取得して、自宅からキャンパスに通学していました。大体、その週の木曜日から日曜日に授業があるので、木曜日と金曜日に会社を休めば対応可能、というスケジュール感でした。
 
シンガポール以外から”国際通学”する人は、授業日前日の水曜日にシンガポールに入って、日曜日の授業後に空港に直行し、月曜日からは仕事に戻る、ということをしていました(日曜日は、そのようなケースを踏まえて、少し早く授業が終わるようになっています)。

そして、大抵の場合、読み終わらなかった事前課題図書を、行きの機内で読むというのがお決まりのパターンとなります笑 そして、授業直後の月曜日は精神的に疲弊しているので、あらかじめ月曜日も休みを取っておく、というのがモジュール2以降、私のお決まりのパターンとなりました笑
 
実は私も、プログラム半ばでシンガポールから引っ越してしまったので、”国内通学”が出来たのはモジュールの半分までで、残りの半分は、”クロスボーダー通学”をしていました。数ヶ月毎のペースで、シンガポールに行って、授業を受けるというのは、とても貴重な体験で、とても良い思い出になりました。
 
私たちのWave(「入学クラス」をこう呼んでいます)は、2021年のコロナ中に始まったこともあり、クラスメイト全員がキャンパスに対面で集まるまでにずいぶんかかりました。ドバイ、アブダビ、ドイツ、タイ、マレーシア、オーストラリア、韓国等の各国からシンガポールに集合していたので、対各国の規制もそれぞれ異なったためです。しかし、規制が緩和されてからは、キャンパスに集合し、対面授業をすることをINSEADは重視していました。わざわざ“国際通学”をすることの意味もここにあると私は思っています。生身のコミュニケーションから生まれる何かしらの影響力を無視することはできません。そしてオンライン上だと、何かが欠けているように感じました。この“何か”を今上手く説明することはできませんが、INSEADとしても、対面授業を重視して、生徒に求めたところに何かしらの答えが表れていると思います。
 
クロスボーダー通学生向けに、INSEADのキャンパスには寮があります。ビジネスホテルのような滞在が可能で、キャンパス内の中にあり移動も楽なので、私にとっては快適な選択肢でした。しかし、クラスメイトの中には、EMCのプログラムが強烈すぎて、その日のプログラムが終わっても、同じキャンパス内に留まるというのは、精神的にもたないといって、途中のモジュールからは、校外の普通のホテルに滞在するクラスメイトも増えました。(私もせっかくの機会なので、シンガポールの色々なホテルを試したいと、後半は寮ではなく、校外のホテルを選ぶようになりました。)
 
費用的な話で言えば、学費の他に、このようにクロスボーダー通学する学生にとっては、毎回の航空券代と、4~5泊のシンガポール宿泊費クラスメイトと夜ゴハンに行けばその費用がかかります。最近のシンガポールのホテルは高騰しており、それに応じて、学校の寮でさえもそれなりの値段がするようになりました。
 
その意味でも、シンガポールにお住まいの方は、その地の利、“国内通学”ができるそのメリットを是非活かされたらよいと思います!出願当時、私もシンガポールに住んでいたので、せっかくシンガポールにいるのだから、その地の利を活かしてトップビジネススクールでマスターを取ってみようというミーハーな気持ちがあったのも事実です。てへ。
 
ここで改めて、EMCの概要をご案内します。

  • 特徴:働きながら学べるパートタイム修士

  • 期間:18カ月(修論提出と卒業式出席までの期間は要確認)

  • 授業形態:対面授業、オンライン(ケースコール、ディスカッション)

  • モジュール:8モジュール。各モジュールは3~4日間(週末を含む)のキャンパスでの対面授業あり(※8回現地に通学する必要あり)

  • 実施キャンパス:仏フォンテンブロー、シンガポールのいずれかを選択

  • 出願条件:GMAT、GREは不要(!)。ですが、15本のエッセイ提出があります。詳しい出願条件はWebsiteご参照のこと。

そうなんです。GMATやGREは不要とはいえ、15本のエッセイ提出があります…。こちらについても、いつかご案内できたらと思っています!

私がこのEMCという存在を知り、出願しようかどうか迷っているときには、なかなか情報がなく困っていました。

それもそのはずで、2001年にEMCの前進となるプログラムが始まってから、2020年時点では、日本人卒業生は13人しかいなかったのです。

しかし、私もEMCを卒業して、今でも「多くの日本人ビジネスプロフェッショナルがEMCを知らないのはもったいない。EMCを全てのビジネスプロフェッショナルに強くお薦めしたい!」と思っており、そのような想いから、このNOTEでINSEAD・EMCの記事を書いています。

世界中のどこかにいらっしゃる、どなたかのお役に立てていたら幸いです。

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